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2007.03.14
第1に、明治学院大学国際平和研究所「国際シンポジウム:世界の中の憲法9条」に参加して 冒頭に上映された同大学元学長の森井眞さんの「9条のビデオメッセージ」は、現在の世界と日本の情勢を捉え、9条の精神・意味そして「非戦の思想」を訴える力強いものでした。何と、映像では「難民救済施療団」のシーンが映し出されました。JOCSを、そしてJCMAを生み出した原点となるあの日中戦争下での難民のための医療活動を示すひとコマでした。NHKスペシャル「日中戦争~なぜ戦争は拡大したのか~」(2006年8月13日放映)に使用したNHKアーカイブスに収められていたもののようです。当時の戦争の悲惨にはフォーカスが当てられますが、その中で果たされたキリスト教医療ミッションは「知られざる事実」ではないでしょうか。思わぬ「歴史との出会い」にタイムスリップした気分です。JOCSの来し方を検証しつつ、その平和への働きを再確認したいと思います。 その後のセッションで印象に残ったゲストスピーカーの言葉を少しご紹介したいと思います。
●ロベルト・サモラさん(コスタリカ): 「平和を学ぶのではなく、平和を生きることだ。」「コスタリカでは、教室の中でも外でも(家庭でも)『問題解決のための対話』を学ぶ(寛容な社会を目指している)。」「貧しい国(GDP世界第82位)だから、軍隊を作るなどと言う『無駄遣い』はしない。」 ★コスタリカ共和国は、憲法により1948年(JCMA設立の前年)に常備軍を廃止した世界で唯一の非武装永世中立国です。 ●岡本三夫さん(日本平和学会元会長):「平和を望むなら、戦争に備えよ。ではなく、平和を望むなら、平和に備えよ。」
第2に、「女性と子どもを」ということ 3月8日は、「国際女性ディ」です。これは、1904年3月8日に米国NYで女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こしたことが起源です。 女性の社会参加が叫ばれてから、まだ100年しかたっていません。そして今はどうでしょう? UNFPA(世界人口基金)曰く、 ●30億人近い人々が741日2ドル以下の生活を余儀なくされ、1分に1人の女性が出産時にいたずらに命を落とし、1日に6000人の青少年がHIVに感染し、何百万人もの女性と女児が暴力に怯えて暮らしている(世界人口白書2005) ●「世界中の国際人口移動者総数の半分は女性が占め、その数は9500万人に上る。」「グローバリゼーションの功罪、特に人身売買の惨状と女性家庭内労働者の搾取」に注目し、「希望への道―女性と国際人口移動」(世界人口白書2006のタイトル)を最優先することの重要性を訴えています。 UNIFEM(国連女性開発基金)曰く、 ●国連ミレニアム開発目標の8つの目標のなかには、女性ときわめて関係の深いものが3つ含まれています。すなわち、目標3の「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上」、目標4の「幼児死亡率の削減」、目標5の「妊産婦の健康の改善」です。 ●「開発過程では、よく一人の母親を教育することは4人の子どもを教育することだといわれます。」
JOCSがアジアアフリカ各国で取り組む、子どもや女性、そして貧困にあえぐ人々の命に関わる働きは「貧困を過去のものにする(Make Poverty History)」ことにつながるものと信じています。様々なデータやメッセージが示すSOSは、環境問題とは別の人間の安全保障を脅かす「もうひとつの『不都合な真実』」に他なりません。 JOCSは、今後5年間の方針を通して、「声の届かぬ」これらのSOSと向き合い続けていきたいと思います。
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