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活動内容

奨学金事業

ワーカーの派遣、協働プロジェクトと並び、JOCSの活動のもう1つの柱となるのが奨学金事業です。保健医療を学びたいと願う人たちに奨学金で支援することで、その地域の保健医療レベルの向上に協力しています。

地域にとどまって働く人材を育成します

アジアやアフリカの国々では、都市部と地方の経済格差が大きく、地方の病院から都市部への人材流出が問題となっています。JOCSでは、地元にとどまり、その地域の人々のために働きたいと願う人を奨学生として選びます。

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顔の見える関係づくりを心がけています

毎年1回のレポート提出や、現地モニタリングでの対面ヒアリング、JOCS会報「みんなで生きる」で紹介するためのメッセージ執筆などを通して、奨学生とのつながりを大切にしています。

奨学金事業近況

奨学生の紹介

スビ・ジーさん(インド/クリスチャン・フェローシップ病院)

2019年~2021年奨学生

私はクリスチャン・フェローシップ病院に勤める25歳の看護師です。JOCS奨学生として上級看護コース(大学院レベル)での学びをスタートしました。同病院付属看護学校を卒業後、診療記録の整備や投薬管理などの患者ケアにたずさわり、集中治療室を切り盛りしました。看護部会の副会長を務めました。

私のような者を奨学生として選んでくださり、感謝いたします。神様の憐れみを感じています。私は両親を知らず、3歳から孤児院で育ちました。
中学を終えたころに遭遇した父は私を疎みましたが、神様がいるから大丈夫、と自分に言い聞かせました。修道士の支えと病院からのローンで看護師の資格をとり、病院で働きだし2年がたちました。今回、よりよい看護ケアのため、さらに学ぼうと奨学金に応募しました。

自分の経験から、孤児が高等教育に進む難しさを痛感し、修了後は病院・看護学校で働きながら孤児一人分の学費を支援すると心に決めています。

ムナ・ライさん (ネパール/HDCSラムジュン郡コミュニティ病院)

2017年~2021年奨学生

JOCSの支援者の皆様、奨学金で正看護師になるために勉強をする機会をくださり、ありがとうございます。皆様の愛とお祈りに支えられ、20214月にようやく最終試験を迎えることができました。202012月に研修修了の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から研究活動や試験が遅れました。幅広い看護の授業の中で、妊産婦と新生児に関する勉強が最も興味深く、そして今後看護師のマネージメントをする立場で働くために最も役に立つ内容だと思っています。これからは、HDCSラムジュン病院に戻って働きます。研修中に得た知識を仕事に生かし、リーダーシップをとって地域の人々に尽くしていきたいと思います。

 

スジット・ランサさん(バングラデシュ/カイラクリ・ヘルスケア・プロジェクト)

2019年~2022年奨学生

私たちのカイラクリ・ヘルスケア・プロジェクト(以下、KHCP)はニュージーランド人のベーカー医師によって立ち上げられました。「貧しい人々による、貧しい人々のためのヘルスケア」を掲げて、ヒンドゥ、ムスリム、クリスチャンのコミュニティのすべての人に保健医療サービスを届けています。ベーカー医師が4年前にこの世を去った時、活動を続けていけるだろうかと私たちは落ち込みました。ところがどうでしょう。今も順調に続いています。
それは友人である多くの皆様の支えがあってこそ。
JOCSの支援への感謝は言い尽くせません。

2008年から山内章子ワーカーがパラメディック(注:准医療従事者の意、ベーカー医師亡き後、KHCPには常駐医がおらずパラメディックが医療を担ってきた)に理学療法技術を教え、朽ちることのない種を播いてくださいました。そして乾眞理子ワーカー(医師)をKHCPに連れてきてくださいました。乾ワーカーはJOCSを通じて5年以上にわたり私たちを支え、教育してくれました。おかげでどれだけの命が救われたことでしょう。

またスタッフの1人が、JOCSの奨学金で医療助手の正式な資格を取得しました。彼はKHCPを背負って立つことが期待されており、いくつかの重要な責務を担いながらパートタイムで学び終えました。そしてこの度、私もパラメディックの資格取得に向けて学んでいます。奨学金がなければKHCPのスタッフが正式な資格を取得するなど到底考えられませんでした。JOCSのおかげで私たちの医療レベルが上がり、リーダーが育ち、それを通じて地域の貧しい人々が恩恵を受けています。心から感謝しています。

JOCSの皆様の愛を受け止めています。ありがとう。これからも互いに祈りあいましょう。神様の祝福が人々に行き渡りますように。

ムハンジ・ハニントン・オソツィさん(ケニア/シロアムの園)

2018年~2021年奨学生

JOCSで協働プロジェクトを実施しているシロアムの園に、専門学校卒業後ほどなくして採用されました。障がいのある子どもたちへの理学療法とお母さんたちへの自宅療法の指導を行っています。子どもたちにより適したセラピーを届けたいと思う中で、自分の力不足を痛感し、進学を望みました。2017年に大学に合格しましたが、学費を準備できず進学を断念しました。経験・知識不足を補うため、山内章子ワーカーがケニアを訪れ、3度にわたり技術指導を行ってくれました。

2018年にはJOCSの奨学生に選ばれました。合格の知らせを聞いたとき、喜びと共に決意を固めました。201910月から始まった週末コースでの学びの機会は、神様のタイミングで与えられたと確信しています。2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大のため、実習がオンラインクラスになるなど学びが難しく感じることもありました。

シロアムの園での働きと勉強の両立で忙しくなり、コロナ禍での学びという変化もありますが、「強く雄々しくあれと命じたではないか。うろたえてはならない。おののいてはならない。(ヨシュア記19節)」とあるように、恐れずに進みたいです。もちろん苦労はあると思います。でも乗り越えられない試練を神様は与えられないのですから、きっと大丈夫だと信じています。シロアムの園の子どもたちのために仕えるのは私の召命です。神様が先導してくださる働きだと、この奨学金を通じて確信が与えられました。JOCSの皆様、私に学びの機会をくださり、心から感謝いたします。神様がお一人おひとりを祝福してくださいますように。

デイビッド・ジャクソンさん(タンザニア/聖ヨハネ・パウロ2世病院)

2015年~2018年奨学生

私はJOCSの奨学金で2018年に看護助産師の資格を取得して、現在聖ヨハネ・パウロ2世病院で働いています。主に手術室で帝王切開の介助をしています。分娩が危険な状態になったケースの対応を研修で学んだことが、今とても生かされています。

 私は、カリウアにあるタボラ大司教区の孤児院で育ちました。病気で苦しむ人たちのために働きたい、一人でも多くの人を助けたいという思いから、カリウアにある聖ヨハネ・パウロ2世病院(当時、カリウアヘルスセンター)で医療助手として働き始めました。

 今は患者さんに寄り添い、患者さんと共に生き、必要なケアを施すことができる看護助産師の仕事に誇りを持っています。日本から来た助産師の雨宮ワーカーと一緒に働くことができ、嬉しいです。現在は、分娩監視装置という新しい機器を導入するために、雨宮ワーカーから研修を受けています。新しいことを学ぶ機会に恵まれて、ワクワクしています。雨宮ワーカーからたくさん学び、経験を積んで、一緒に多くの人々を救いたいです。

カリウアには、貧しさのために学校に行くことができない子どもがたくさんいます。JOCSから奨学金を受けるチャンスが与えられたことによって私の人生が変えられました。これからも一人でも多くのスタッフが資格を取得するために継続した奨学金支援をお願いします。