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総主事通信07年度②今月のコメント

2007.06.01

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●2007ドイツ・ハイリゲンダムGBサミットに対する国際保健に取り組む日本市民社会の提言
 「約束を守ってください~全ての人の健康への権利を実現するために~」と題し、2008年G8サミットNGOフォーラム保健医療ワーキングチーム(11のNGOが参加)が作成し上記の提言が出されました。
 「年間400万人近くの子ども達が、本来、治療可能なはずの下痢症や呼吸器疾患で命を落としています。治療可能な感染症であるマラリアで100万人以上、結核で150万人以上が亡くなっています。途上国でエイズ治療にアクセスできるのは、治療を必要とする5人のうちわずか1人に過ぎません。また、50万人以上の女性が、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスを受けることができず、妊娠や出産が原因で命を奪われています。世界の多数を占める途上国の貧しい人々は、健康への権利を、いまだに享受できていないのです。HIV/エイズの猛威が、こうした事態に拍車をかけています」(提言からの抜粋)
 NGOが、市民社会が、命を取り巻くグローバルかつボーダーレスな危機と現状を改善すべく声を上げ、行動を起こしています。

●児童労働反対世界ディ(6月12日)
 児童労働反対世界ディ(World Day against Child Labour)は、2002年に国際労働機関(ILO)が「最悪の形態の」児童労働の撤廃を呼びかけるために定めました。
ILOは、今約2億4600万人の子どもたち(5-17歳)-うち1億8600万人は15歳未満、即ち< 世界中の子どもの6人に1人>が児童労働に就いていると発表しています。

「最悪の形態の児童労働条約」における「最悪の形態」の定義(18歳未満)
◎強制労働、債務労働、農奴、紛争での子ども兵士(強制的な徴兵)、人身売買
◎買春、ポルノ 
◎麻薬の売買などの犯罪行為
◎他の危険な労働 (虐待にさらされる労働、炭坑内、水中、危険な高所や閉所での労働、危険な機械を使用する労働、化学物質や高温、騒音にさらされる労働、長時間労働、夜間労働、不当に拘束される労働など)

僕は縛りつけられている子どもたちの怒りを世界にぶつけたい
僕は虐待されている少女の痛みを世界に向かって叫びたい
僕は捨てられた赤ん坊の言葉に尽くせない哀しみを世界に向かって叫びたい
僕は酷使され、虐待されている子どもの恐れ、おののきを世界に向かって叫びたい
僕はこのすべてを世界に向かって叫びたい
でも誰が僕と一緒に叫んでくれるのだろうか
 (13歳で働かされているミカエル少年の詩より―ILOのHP)

 これは、ある子どもの悲痛な「叫び」です。JOCSが「今後5年間の方向性」の焦点である、「女性と子ども」。日々「生きるために『生きる』」子どもたちの声を聴きたいと思います。

児童労働は、「海外の、どこかの途上国の」ことだけではなく、私たちの身近な問題でもあり、私たちの暮らしにもつながっています。私たちの日々の生き方を見直す必要も求められているのではないでしょうか。
「日本では、児童労働はどこか遠い国の問題だと考えられがちです。でも、チョコレートの原料のカカオやコーヒー、紅茶など、自分が知らないうちに、児童労働で作られたものを使っているかもしれません。また、人身取引やポルノなど直接日本で犠牲となる子どもたちも存在します。経済のグローバル化が進む現在、私たちは児童労働とは無縁ではないのです。子どもたちの未来を守るのは私たちの責任です。」(CL-NetのHPから)

◎ILO駐日事務所 児童労働 http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/index.htm
◎児童労働ネットワーク(CL-Net) http://cl-net.org/index.html
◎特定非営利活動法人ACE http://www.acejapan.org/
◎児童労働反対世界ディキャンペーン2007(5月12日―6月30日) http://stopchildlabour.jp/

●志村卯三郎氏(難民救済施療班・班長)との出会い
 日中戦争時代に現地の惨劇にやむにやまれず難民医療のため、1938年にキリスト者医学生と共に現地へ赴いた志村牧師(103歳)が青梅の施設にいらっしゃることを知り、4月19日に小澤英輔さんとお見舞いに伺いました。奥様からのたびたびのご丁寧なお便りと貴重な資料のご提供に感動し、かつ「難民救済施療団」の旗も見せて頂き、書かれた、ではなく「書かれなかったあるいは語られなかった」歴史の一こまに思いをはせる機会となりました。70年前の記憶がよみがえってきたかのようです。