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HOME>ニュース>09年度総主事通信⑨
2010.01.06
今月のコメント
●世界人口白書2009 「気候変動と女性」
「気候変動は人々の暮らしを危険にし、生計手段を徐々に悪化させるだけでなく、貧富の差を一層大きくし、女性と男性の不平等を増幅させる恐れがあります。・・・女性、とりわけ貧しい諸国の女性は男性とは違う影響を受けます。女性は気候変動に最も弱い存在です。というのも、女性は多くの国で農業の労働力の大半を占めており、所得獲得機会は男性よりもずっと少ない傾向があるからです。 ・・・気候変動は人間の問題であり、どこで、どのような暮らしをしているか、何を消費し、どのような権利と機会を享受できているかの問題でもあるのです。 ・・・例えば東南アジアでは、1日2ドルという貧困ライン以下で生活する人がすでに2億2100万人もいる。この地域の貧困層の多くは沿岸地域と低地デルタ地帯で暮らし、その多くが小規模農業か海からの恵みで生計を立てている。貧困世帯は気候変動に特に脆弱である。なぜなら、食べるのにぎりぎりの所得では、保健サービスをはじめ、環境変化の脅威から自分を守るその他のセーフティネットに充てる資金が、ほとんどあるいは全くないからである。」
地球温暖化を、自然環境やビジネスのみの視点から、人間環境・生命環境、即ち人類を含めた生物多様性と共生の観点へ広げ、貧困の拡大と女性(と子ども)へ与える多大なる影響という現実を直視したいと思います。
●「もうひとつのノーベル平和賞~平和を紡ぐ1000人の女性たち」(株 週刊金曜日)
2009年のノーベル平和賞はご存知、オバマ大統領が受賞しました。でも「『ノーベル平和賞に1000人の女性を』プロジェクト」のことはあまり知られていません。「2005年のノーベル平和賞に1000人の女性を」というアイデアはスイス議会とヨーロッパ議会の議員達が2003年に提唱したものですが、世界各地の賛同者が参加する国際的なプロジェクトになっています。(アジア女性資料センターのHPより)
「このプロジェクトは、社会的・文化的差別を生みだす制度やイデオロギーに挑戦し、地域や世界の平和を構築し、促進している女性達の貢献を目に見える形で称え、国際的な関心を喚起することを目的としています。つまり、たった一人のヒーロー/ヒロインによるドラマチックな活動ではなく、多様な分野で日々活動している多くの女性達の働きに注意を向けることで、『世界平和』の概念を、人間の安全保障に基づく、より広いものへと変えることが、このプロジェクトの重要な目的です。」(同センターのHPより)
この日本語版(日本語版プロジェクトコーディネーター 青山薫・石原みき子・松本真紀子)は、ある修道院で知りました。何と2,215ページ!世界150カ国からノミネートされた1000人のPeace Womenが紹介されています。 「この本は、『女性』が平和的だということよりも、平和に向かう女性達が、いかに様々かということを伝えている-この多様さこそが、この本の真骨頂だ」(日本語版あとがきより)。平和の多様性、深く頷いた次第です。
●「世界一あたたかい人生相談~幸せのレシピ」(ビッグイシュー日本/ビッグイシュー販売者&枝元なほみ)
「世界一あたたかい・・・」は、ビッグイシュー日本初の単行本です。そもそもビッグイシューは、「1991年にロンドンで生まれ、日本で2003年9月に創刊。ホームレスの人々の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を支援する事業として始まりました。・・・定価300円の雑誌をホームレスである販売者が路上で売り、160円が彼らの収入になります」(ビッグイシュー日本のHPより)です。 「誰もが悩みの一つや二つ・・・。そんな悩みに、街角で雑誌を売って自立を目指すビッグイシュー販売者が答えました。ホームレス状態を経験している販売者の答えは、なぜかおもしろく、やがてホロリと心に染み入ってきます。そこに登場する料理研究家の枝元なほみさん。一つひとつの悩みと回答に合う『心ほぐれる料理』を考えてくれました。悩みと、答えと、お料理がコラボした、たぶん、今までにない『おいしい人生相談』。そして、心と身体が芯から温まる、世界一あたたかい人生相談です。」(「世界一あたたかい人生相談」より)
2年続きで年越し派遣村が設置されましたが、それよりずっと前から、日本には越冬できない路上生活者が多くいらっしゃいます。行き場と生き場を失ったホームレスの人々は、すぐそこで絶望に近い状況下で震えておられます。けれどその方々による「世界一のあたたかい人生相談」に、デフレ気味(?)の心に効く栄養を頂きました。寒さに震えて生きる人たちから、温かさと優しさを頂く。貧しさって何?豊かさって何?と考えさせられます。
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