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Liton(リトン)

2010.12.08

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35歳男性。職業はバン・リキシャの運転手riksha driver。妻と娘(Lima、1歳)がいる。
半年くらい前から、体調が悪く、仕事が出来ない。
食欲が無く痩せて来て、当初は咳、発熱、最近は腹痛や嘔吐がある。
10月25日入院。身長157cm、体重40kg。

喀痰の検査で結核菌は見つからないが、胸部レントゲンでは影がある。

症状から「腹部結核abdominal tuberculosis」と診断され、11月28日から抗結核剤が開始になった。

抗結核薬はF.D.C.(Fixed Dose Combination)という合剤になっている。
Litonは現在、4FDC(4剤の合剤)を1日1回3錠のんでいて、1日量は;
Isoniazid 75mg×3=225mg
Rifampicin 15mg×3=45mg
Pyrazinamide 400mg×3=1200mg
Ethambutol 275mg×3=825mg

抗結核剤は、6ヶ月間きちんと飲むことが必要なので、服薬は本人だけに任せず、
担当者の監視下に服用してもらうことになっている。
(DOTS;directly observed treatment,short-course)

入院中は毎朝、クリニックの外来に行き、
結核部門の担当者から薬をもらい、目の前で服用している。

Litonは薬を飲み始めてとても調子が良くなった。
Pronoty;「何か問題は?」
Liton;「元気で何ともないのに、退院できないこと。」

Limaを連れて付き添っている奥さんは控えめでおとなしい方だが、
Litonの調子の悪かった時は
「子どもが小さいので、早く仕事してもらわないと困る、早く治療して下さい」
と何度か私に言いに来られた。

でも、リキシャ運転手は重労働・・・この肺で復職出来るのか?心配です。

バングラデシュ短期ワーカー 乾眞理子