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3.11から1年、揺れ続け、今想うこと

2012.03.15

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「3.11から1年、揺れ続け、今想うこと。」

 昨年の総主事通信⑪の配信日は「3月11日」でした。発信時刻は午後12時7分。2時間39分後に、東日本大震災が発生しました。阪神大震災の、怪獣にシェイクされたような凄まじい揺れも忘れられませんが、3.11の大地の底から怒りが噴出したような地震も忘れられません。時は主の復活の日(イースター)に向かう受難節の出来事です。大きく揺れ続けたこの1年、文字通りM5以上の余震は600回を越えました。昨晩も、です。

 「死者15,854人、行方不明者3,155人(3/14現在)、避難者344,290人(3/8現在)」。この統計は、1年を過ぎた今、「毎日」ではなく、「週1回」の発表に切り替わりました。

 3月11日には、各地で鎮魂と祈りの集いがもたれました。反原発・脱原発の集会も、日本のみならず、世界各地に広がりました。スローガンは一つ、「フクシマを忘れるな」と。3月11日は、12日になり、13日になります。そして4月になり5月になります。私たちはその日(の記憶)に留まり、その日(の記憶)から離れていく現実のはざまで、これからも揺れ続けていきます。

 私たちは、被災地の方々に「明るさや希望や絆を求めてきた(自らの喪失を埋めるが如く)」ように思えてなりません。一体誰のための希望?絆?でしょうか。被災地の痛みを、と言いながら、約2,247万トンの瓦礫の受入が進まぬ事実は、沖縄の米軍基地の問題にも重なります。瓦礫は阪神大震災の1.6倍、全国の年間一般廃棄物総量の2分の1に相当します。福島の原発事故は、水俣などの公害の問題にもつながります。私たちが看過し無関心であったことの厳しい事実を突き付けられた1年でした。応える言葉はまだ、見つかりません。

 「復活」への道のりが遥か遠くに思える現実、でもなお「復活」を信じる自分とのはざまで揺れ続けています。