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「釜石訪問」2013年4月・5月

2013.06.12

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 私が毎月派遣して頂いている「カリタス釜石ベース」が、2013年3月19日に、NPO法人「カリタス釜石」として新しく活動し始めました。 地元のネットワークと協働しながら、長期にわたり継続して支援していくために、多くの方々のご協力を頂きながら立ち上がりました。 具体的にはこれまでの活動・・仮設住宅の談話室などを利用した「お茶っ子サロン」やイベント、見守り活動による孤独孤立化の防止と・・・新しく女性や子どもが守られる暴力のない社会を目指す取り組みも加わりました。 理事のおひとり、Sr.谷垣内(礼拝会)は、NPO法人「レセナール・女性とともに歩む会」代表理事をしておられますが、かつてJOCSワーカーの諏訪惠子さんがカンボジアのレセナールに派遣され、協働しておられ、まさに神様の御計らいを感じます。  今後も「カリタス釜石」は大切ないのちに寄り添い、新しい釜石の町づくりに地元の社協と連帯しながら活動していきます。 ・・・が、ボランティアは残念ながら少なくなってきています。これを読まれた方が、「ひとごと」ではなく、被災地に足を運んで下さること、具体的な支援をして下さること、お祈りでずっと支え続けて下さることこそが、大きな支えになります。  先日より釜石市内で最初となる災害復興公営住宅への入居が始まりました。お茶っこサロンでお会いする方々の中にも入居が決まった方もいらっしゃいます。 その寂しさを口々におっしゃり、お知り合いの方の入居が決まり、より現実味を帯びた不安を抱えておられる方を目の当たりにします。 復興住宅へ移行していくにあたって、お茶っこサロンなどで形成したコミュニティが崩壊することの懸念がありましたが、入居が決まった方のお引越しのお手伝いをしたり、不便なことはないかと連絡をとられたり、釜石らしい人情や繋がりを感じました。  生涯無くなることのない重い苦しみを背負われている被災地の方々のために、実際には何もできないことも多いのです。 死を乗り越えるのを誰も代われないように、お一人おひとりのお苦しみは、その方が担い、過ぎ越していかねばならない厳しいものです。 私たちが出来るのは、「共にいるよ、忘れないよ」ということを感じて頂くだけです。   定期的に毎月カウンセリングをさせて頂いている方も数名居ます。 手芸作品を作ることで、制作の喜びがあり、出来上がった作品が実際生活上の助けとなっていることもあります。 からだを動かすこととして、卓球大会や、スタッフのおひとり美人プロゴルファーのコーチによるゴルフレッスンによって、男性も多く参加されるようになり、籠りがちだった方々が知り合われ、表情も雰囲気も明るくなってきたこともあります。 卓球大会の後は、お昼御飯を皆で共に頂き、おひとり暮らしの男性陣に喜ばれています。 スタッフのシスターで、歌とギターがプロ級の方がおられ、どんなリクエストにも応えられ、皆で大きな声で歌を歌うこともあります。 私もささやかですが、ギター持参で歌好きがおられると、ご一緒に延々歌います。「場所前交流館」は、下校後の学童保育の場常呂所提供です。 子どもたちが大勢集まり、ボランティアのお兄さんにすっかりなついています。 小さな働きの一つひとつが、時を重ねて、大人にも子どもにも地域の「居場所」になって来ています。行き場所のなかなか見つからなかった方々が、常連さんになり、心と体の健康を取り戻し、仲間作りが出来ています。 JOCSの支援により、私もその小さな働き手のひとりとして、これからも毎月行かせて頂ける恵みに感謝しつつ、お祈りのうちに精一杯働かせて頂きます。 JOCS派遣カウンセラー 白石仁美