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ネパールの奨学生、看護学の学士課程で学ぶタムナさんからの報告

2024.04.15

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ネパールの東・エベレストの麓の地域にあるオカルドゥンガ病院は、60年以上に渡り、地域に根差し、人々に寄り添いながら診療を続けています。1969年から伊藤邦幸医師がワーカーとして派遣されました。

現在は3名のスタッフが奨学金で学んでいます。今回は、看護学の学士課程で学んでいるタムナさんにお話を伺いました。
(※学士号を取得すると病院の管理職につくことができます。)

私は、オカルドゥンガ病院で救命救急の看護師として4年間勤めてきました。2022年からJOCSの奨学金の受給が決まり、カトマンズ大学のドゥリケル病院で助産師教育を学び始めました。1年生のときは、科学系の必須科目の中でも物理の単位取得にとても苦労しましたが、何とか修了することができて本当に感謝しています。

 

2年生では、主に助産に関連する学科を学び、自分の助産知識をアップグレードできたと感じています。新しい知識や技術は、かならずオカルドゥンガ病院の助産サービスの質向上に貢献できると信じています。

 

以前、緊急搬送されて亡くなった妊婦のことを思い出します。その妊婦さんは、自宅で出産したところ出血がとまらないため、ヘルスポスト(地域レベルの簡易な診療所)を受診しました。しかし、ヘルスポストでは処置ができず、オカルドゥンガ病院に緊急搬送されてきましたが、到着した時点で亡くなってしまいました。

 

このケースのように、もっと早く搬送されていれば助かった命もあったのではないか、という経験がこれまでもたくさんありました。病院でリスクの高いケースの受け入れが多いことを考えると、新しい高度な助産の知識や技術をしっかり学ぶ必要があると感じています。そしてその知識技術を同僚たちに伝えていきたいと思います。患者さんのニーズに沿った最善の看護・助産サービスを提供できるように、あと残り2年の学びも最善を尽くします。

タムナさん
タムナさん