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HOME>ニュース>奨学金>インドネシア奨学生近況報告ー患者さんに希望を届ける医師をめざして
2025.06.05
JOCSの奨学金事業の協力団体であるGKSTシナルカシ病院は、インドネシア・スラウェシ島の中部・ポソ県の小さな町・テンテナにあります。キリスト教会の保健部門が運営するシナルカシ病院は、宗教的、地理的な要因から、他地域からの医療従事者の雇用が難しい状況にあります。そこで、シナルカシ病院はJOCSの奨学金を活用して、地元出身のスタッフ育成に取り組んでいます。2020年度には、地元出身で病院スタッフが幼少期からよく知るボランティアスタッフ4名をJOCSの奨学生に推薦しました。現在、彼らは医師を目指して学びに励んでいます。
実習中のジェニータさん(中央)
その一人であるジェニータさんは、医学部5年生になりました。司祭をつとめる両親が人々に仕える姿を見て、ジェニータさんは人々の健康面を支えたいと思い、医師を目指しました。現在は、さまざまな診療科での実習を通して、医師になるための訓練を受けています。
「直近の実習では、特に麻酔科での経験が非常に印象深く、貴重な学びとなりました。手術中の各種処置に加え、チーム内での連携や、チームの一員として働くために必要な姿勢、そして適切な処置をおこなうための準備の大切さを実感しました。
また、ある高齢の患者さんとの出会いは、医師を志す私にとって大きな成長の機会になりました。重い病を患い、身体は衰え、できることも限られているにもかかわらず、私が病室を訪ねるたびに、いつも温かい笑顔で迎えてくださるその姿に、深く心を打たれました。苦しみの中でも見せてくれた、内にある強さと心からの喜びに満ちた姿は、『希望や強さは、必ずしも体の健康からだけでなく、たとえ体は弱くても、健やかな心から生まれるもの』と教えてくれました。知識や技術だけでなく、弱い立場にある人や助けを必要とする人々に、愛と誠実さ、そして希望を届けることができる医師になりたい、と強く思わせてくれた大切な経験でした。
この出会いと経験が日々の励ましとなり、今日という1日を大切に、もっと学びたい、と思わせてくれます。そして私は、愛をもって医療サービスを届けていきたいと心から願っています。
いつも祈りとお支えくださる皆さまに、心より感謝いたします。神様が皆さまに健康と生きる力を豊かに与えてくださいますよう、お祈りいたします。」
手術室での実習
レクチャーを受けるジェニータさん(左から3番目)
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