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総主事通信07年度⑩今月のコメント

2008.02.01

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6.今月のコメント

●「医学と福音」(日本キリスト者医科連盟 会報) 創刊号
 「医学と福音」(Medicine and Gospel)は、1949年5月に創刊されました。

 <主な執筆者>
 日本医道の内面的更生(賀川豊彦)、信仰の偉人アルベルト・シュワイツエル(野村実)、
基督教と医療の社会化(榎本貴志雄)、力一杯に花は咲く(長松英一)
 <編集委員>
 日野原重明、新海明彦、佐藤智、斉藤満

 とあります。第2次大戦後混乱と荒廃の中、キリスト教精神によって立ち上がった偉大なる先駆者たちの出発点でした。そして60年目を迎える今年。日本キリスト者医科連盟の第60回総会が、今年夏東京で開催されます。
「現代」は、先達の想像を遥かに超えた異質な「未来」かもしれません。しかし、そのスピリット、キリスト教医療ミッションのともし火をしっかり次の時代へ受け継いでいきたいと思います。

●賀川豊彦-「子どもの権利」(1924&1927)

 「医学と福音」誌の創刊号にも寄稿した賀川豊彦。
09年12月に賀川豊彦が貧しい人々の救済活動に献身して100年を迎えます。賀川豊彦は、「人権・平和・共生」を訴え、そのことの実践に一生を捧げた信仰の人でした。開拓伝道と社会事業に携わりつつ、同時に日本の労働運動や生活協同組合などにも取り組みました。その非戦平和思想に貫かれた足跡は後世に語り継がれるものです。
 しかし何より、私が打たれたのは、賀川が1924年に「(6つの)子どもの権利」を、その後1927年には3つを加え「(9つの)子どもの権利」を提唱したことです。1948年の世界人権宣言、1959年の国連の「児童の権利に関する宣言」の遥か前のことです。(神視保育園 牧田稔園長 「ほいくの窓」N0.65から)

 1924年―子どもの食らう権利、遊ぶ権利、寝る権利、叱られる権利、
     夫婦喧嘩を止めてもらう権利、禁酒と要求する権利

 1927年―生きる・食う・眠る・遊ぶ・指導してもらう・教育を受ける・虐待されない・
     親を選ぶ・人格としての処遇を受ける

 この権利の主張は今も生きています。私たちが「女性と子ども」を考える時、歴史の検証も欠かせません。

●第2回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議―横浜会議(2001年12月)
“A World Fit for CHILDREN(子どもたちにふさわしい世界)”から“A World Fit for US(私たちにふさわしい世界)”へ

 私が、子どもたちからのSOSに衝撃を受け、「微力でも、何かしなければ」と思い立つ重要な転機となったのが、この第2回横浜会議です。それに続く02年5月の子ども特別総会(NY)での「子どもたちの声」です。

 私たちは世界の子どもです。
 私たちは搾取と虐待の被害者です。私たちはストリートチルドレンです。
  私たちは戦争下の子どもたちです。
 私たちはHIV/エイズの被害者であり、孤児です。私たちは良質の教育と保健ケアを
  否定されています。
 私たちは政治的、経済的、文化的、宗教的および環境的な差別の被害者です。
 私たちは声を聴いてもらえない子どもです。そろそろ私たちの声を考慮してもらわねば
  なりません。
 -国連子ども特別総会(2002.5.5‐7)子どもフォーラムから-

 国連子ども特別総会は本来01年9月の予定でしたが、あの9.11テロのため翌年5月に開催となりました。子ども特別総会の参加者の一人は語りました。「大人たちは子どもたちのことを、『私たちの明日だ。未来だ』という。しかし、私たちは『今日であり、現在』なのだ」と。そして「子どもたちにとってふさわしい世界は、あなたたち大人にとってもふさわしい世界であるはずだ。だからfor CHILDRENではなく、for USにすべきだ」と。第3回会議が今年ブラジルで開催されます。子どもたちのために行動をする時です。今。子どもたちの、子どもたちの、子どもたちのためにも。