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HOME>ニュース>総主事通信07年度⑫今月のコメント
2008.03.31
今月のコメント
第1に、「希望とは、未来の音楽を聴く力」 “Hope is the ability to hear the music of the future; but faith is having the courage to dance to it today” 「希望とは、未来の音楽を聴く力。信仰とは、今日、希望と共に踊る勇気を持つことである」
これは、バングラデシュの知的ハンディを持つ子どもたちの家(ショプノニール)で見つけた言葉です。そのポスターには、英国のジュビリーセンターというクレジットがありましたが、作者不明のようです。 子どもたちは、歌ったり踊ったりすることが大好きです。私たち大人は、常に何かに囚われ、じっと耳を澄まして聴いたり、心躍らせたり、ということをせぬ日々を生きています。ピュアな生き方の大切さを、彼らから教えられます。
さて、もう一つ。先日、何気なく入ったお店で、“Happiness is homemade.”という言葉を見つけました。そうだ。幸せはホームメイドなんだ。愛情に満たされ、手と心が尽くされた関係の中で育まれるんだ、という当たり前のことに気づかされました。ニール(家)の子どもたちは、生まれたときから家族から捨てられ、愛情に飢え渇いています。他者との信頼関係の構築が非常に困難で、「自分が大切な存在である」という感覚が持てない子どもたちです。 テゼのブラザーは、「(子どもたちとの)関係作りに大変時間がかかる。けれど家では濃密な人間関係を通して、人として生きることを取り戻すようにしている」と語ります。家は彼らにとってかけがえのない、温かい居場所です。
第2に、「医療観光-賢い患者は外国を目指す」―(NEWSWEEK/ 2008年3月5日号) 「格安で最先端医療を受けようと途上国に向かう『医療ツーリズム』が世界で急増。・・・心臓手術はインドで。歯科治療はハンガリーで・・・。格安のコストや自国にはない治療法を目当てに外国を訪れる『医療ツーリズム』が世界規模で広がっている。『国境なき患者たち』の急増でボーダーレス化する医療市場の未来とは。」(同上)
「国境なき医師」たちではなく、「国境なき患者」たち。ボーダーレス化する命の問題。 ボーダー(国境)どころか、生まれて死ぬまで、何代も何代もその地に留まる「草の根の人々」は、移動の機会はほとんどありません。オカネもありません。もちろん生きる権利も守られていません。JOCSの活動の現場は、医療にアクセスできるまで近くても歩いて十数キロ、遠ければ3日、最大1週間という地域です。 ツーリズムも色々。最近の流行はエコツーリズム、かつては日本人の(東南アジアへの)セックスツーリズムが(それは今も続いていますが)。そしてもう一つの「医療ツーリズム」。国境を越えた臓器売買など、売り買いされる「命」の問題。私たちは、草の根の人々のそばに留まります。
第3に、3月22日は「世界水の日」。3月24日は「世界結核デイ」。
●3月22日は「世界水の日」。 「毎年、開発途上国で生まれる子どもは約1億2000万人。その半数は、『安全な水』を確保することができない家庭に生まれていると推定されます。 ひとりの子どもが生きるためには、一日あたり少なくともバケツに2杯。20リットルの安全な水が必要とされています。これは飲み水や食事に使う水、そして体を清潔に保つために基本的な衛生環境を保つのに最低限必要な量です。しかし、こうした『安全』な水を十分に得ることができず、毎日4000人あまりの子どもが命を落としています」(ユニセフ HPから)
●3月24日は「世界結核デイ」―“I am stopping TB ” ★TB=結核 「2008年のテーマの趣旨は、誰でも結核対策に参加できるということです。結核で苦しんでいる人たちが、正確な結核診断と効果的な治療の機会を得られるよう、私たち1人1人が貢献できるのです。 例えば、患者は・・・。公衆衛生従事者は・・・。科学者は・・・。教育者は・・・。コミュニティ(地域社会)は、情報を共有しあうことによって、結核の予防と治療を必要とする人々が治療を得られるように助けることによって、結核を止めることができます。世界ストップ結核パートナーシップの事務局長マルコ・エスピナル氏は、『あなたは、結核を撲滅するために何をしていますか?どうか我々の活動に参加してください』と訴えています。」 ((財)結核予防会結核予防研究所 http://www.jata.or.jp/より)
命を守り支えるのは、「誰か」ではなく「私」。世界各地で、身近なところで誰かが誰かの助けを求めています。
<結核とエイズ:益々深刻化する死の相関関係> 「結核は治療可能な病気であるが、この疾病による昨年の死者数は、同年の地震、津波、飛行機事故、テロの犠牲者、及び世界中の犯罪被害者数を上回る。特に結核はエイズ死亡の最大の要因で、エイズ患者の3人に1人が結核で命を落としている。」(Inter Press Service)
エイズの問題が地球規模の問題としてセンセーショナルに取り上げられ、国連や各国政府、そして著名な財団やNGOによる取り組みが進められる中、結核・マラリア他様々な感染症の問題には目が向きません。 マラリアはエイズ・結核と並ぶアフリカの3大感染症で、感染者は毎年3.5億~5億人と推測されています(結核は毎年900万人が発症、170万人が死亡)。私たちはそのことを見据え声なき声に耳を傾けていきたいと思います。
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