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2017.05.12
HIV感染者をケアするNGO「リーチアウト」
JOCSではアジア、アフリカで困難を抱えた地域の保健医療の向上のため、奨学金を通じた医療従事者の育成を行っています。 2017年3月にウガンダを訪問し、HIV感染者をケアするNGO「リーチアウト」 (Reach Out Mbuya)の奨学生・元奨学生に会ってきました。彼らの声をお届けします。
国内避難民集住地区の生計向上
家庭訪問で服薬状況を確認するスタッフ (注)すべて本人およびリーチアウトの了解を得て、氏名・写真を掲載しています。
「リーチアウト」は、2001年に14人のHIV感染者をケアする活動からスタートしたウガンダのNGOです。 今では本部のあるカンパラ市ムブヤ地区のほか、近隣地域でも活動し、9,000人のHIV感染者の心と体のケアを支援しています。 医療サービスのほかにカウンセリング、孤児や弱い立場に置かれた子どもたちの支援、職業訓練、村落生計向上、寡婦・おばあちゃんサポート等、その働きは多方面にわたります。 近年はケア・治療に加え、予防・啓発、コミュニティ支援、公衆衛生にも力を入れています。
参考:リーチアウトのブログ
アン・グレース・ナムビルさん (カップルカウンセリングプログラム責任者)(2005年から1年間、奨学金でDiploma in Guidance and counselingを取得)
“私はリーチアウトで初めてのJOCS奨学生です。1996年にHIVに感染していることがわかり、最初はクライアントとしてサービスを受けにリーチアウトに来ていました。やがてボランティアとしてピア・カウンセリングに関わるようになり、JOCSの奨学金で1年間のカウンセリングの専門教育を受けて、今はカップルのためのカウンセリング・プログラム(Discordant Couple Counseling:どちらか一方がエイズ感染者の夫婦向けカウンセリング)をリードしています。
私のような者をリーチアウトがJOCSに奨学生として推薦し、JOCSが機会を与えてくださったことを心から感謝しています。「エイズに感染しても、人生が終わりを迎えるわけではない」というメッセージを自分の身をもって示したいと思い、活動を続け16年近くになりました。今は約150のカップルにカウンセリングを行っています。ウガンダでは家庭内暴力が多いのですが、特にDiscordant Coupleの間では顕著です。カウンセリングがうまくいけば、カップルの関係を良好に保てるのです。早くDiscordant Coupleを見つけ、寄り添っていく支援が求められています。個別カウンセリングの他に、ピア・カウンセリングや当事者支援にも乗り出しています。 また個人的なことですが、親戚のエイズ孤児3人を預かり、養育しています。JOCS、そしてリーチアウトの支えによって、公私ともに充実した日々が与えられていることに感謝しています。”
カウーヤ・パトリックさん(臨床検査室長) (2011年から2年間、奨学金でBachelor in Medical Laboratory Scienceを取得) 活動を語るパトリックさん メディカルアクセス表彰式にて(左上がパトリックさん)
“12人兄弟の長兄の私は、両親や兄弟姉妹を支える責任とともに、自分自身の家族を養う必要もあり、スキルアップ、キャリアアップを願っても自費で学ぶことは経済的に到底かなわないことでした。 ですからJOCSの奨学金をいただけたのは本当にありがたいことでした。 現在はリーチアウトの臨床検査室長として、各種検査を担当しています。 リーチアウトの検査室は、国家結核ハンセン病プログラム(National TB and Leprosy Program)の結核顕微鏡検査部門でベスト・パフォーマーとして表彰されました。 また2017年にはメディカルアクセス・ウガンダというHIV/AIDS資材を扱う民間団体からHIV資材管理優秀者として4つの賞をいただきました。 JOCS奨学金がなければ学びを深めることも、このような社会に役立つ活動に従事することもあり得ませんでした。 いただいた機会に感謝し、今後もリーチアウトを通じて貢献していきたいです。”
ナンテザ・ハジャラさん (2015年から2年間(就学中)Bachelor of public health and Health Promotion取得予定)
臨月のハジャラさん。訪問の4日後に第三子となる元気な男児を出産しました。
“私は現在、カンパラ市内バンダ地区のリーチアウト・クリニックでARTと呼ばれる抗HIV治療法を担当しながらUganda Martyrs University 大学で公衆衛生とヘルス・プロモーションを学んでいます。 卒業後はHIV感染予防のため、コミュニティでの啓発活動や公衆衛生全般の向上にむけた活動に力を入れたいと思っています。
JOCSの皆さま、貴重な支援をいただき、ありがとうございます。”
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