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インドネシア スラウェシ島にJOCS奨学生を訪問しました

2010.04.22

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3月28日から4月9日まで、奨学金担当の森田職員と共にインドネシアのスラウェ
シ島に、JOCSの奨学金で学んだ保健医療従事者の方たちを訪ねました。日本
からは、シンガポールで乗り継いで、スラウェシ島に入ってからも、国内線の飛
行機や山道を車で何時間もかかって、ポソ市のテンテナ病院、ミナハサ地域トモ
ホンにあるベテスダ病院、アムランにあるカローラン病院、港町マナドにあるパ
ンチャランカシー病院を訪問しました。最後に首都ジャカルタに出て、キリスト
教病院の全国組織であるICAHS(インドネシアキリスト教保健医療サービス
協会)に寄り、ジャワ島の病院で働く奨学生にも会うことができました。

インドネシア地図:スラウェシ島

トモホンのベテスダ病院のJOCS奨学生たちと(中央二人が川口、森田)

小児集中治療室で仕事をするJOCS奨学生

それぞれの病院で会うことができたJOCSの奨学生(過去、現在共)は、合計
約60人にのぼります。中には、JOCSの奨学金で、医師のいない病院から、助
産師が医学部に進み、長年の努力の末医師になって病院を支え続けているという
例もありました。JOCSは彼女が医師になるまで、ずっと寄り添う思いでその
勉学をサポートしてきました。僻地の病院の院長は、JOCSの奨学金で産婦人
科の専門研修をして、院長職とともに産婦人科の病棟の責任を持っています。研
修後、責任ある立場で仕事をしている看護師も何人もおり、なかなか習得するの
が難しい麻酔科や集中治療室での専門研修を受けて活躍しています。

JOCSはインドネシアに50年前に初めてのワーカーを派遣して以来、6人の医
師や看護師を派遣してきましたが、ビザの取得が困難となり、1990年代半ばから
ワーカーの派遣はしていません。しかし、この間絶えることなく、たくさんの奨
学生を奨学金で支援してきました。今回の訪問で、その国の保健医療従事者が自
分たちの国や地域の健康を支え守っていくために、奨学金という手段がいかに有
効であるか、改めて、また深く思わされました。

JOCSはインドネシアだけでなく、2009年度には7カ国78名の保健医療従事者
やその学生に奨学金支援をしています。各地で、JOCSの奨学金で学ぶ機会を
得た方々が、それを十分に生かして、その国や地域の保健医療事情の向上のため
に働く人材に育っていくことが、JOCSにとりましても大きな希望となってい
ます。

海外主事 川口恭子