日本キリスト教団 東北教区センター（エマオ）での活動報告

日本キリスト教団 東北教区センター（エマオ）での活動報告　（2012年1月12日） 新しい年となり、昨年の東日本大震災の3月11日から10ヶ月が経ちました。東北教区セ ンターエマオは現在も日本キリスト教団東北教区被災者支援センターの拠点となり支 援活動が継続されています。12月27日現在で、延べ1556名もの方がこの団体でボラン ティアとして活動されました。現在も仙台市と石巻市に拠点を置き、それぞれの地へ お手伝いに出かけています。昨年、９月頃は30～40名程のボランティア参加がありまし たが、10月に入ったころからボランティアの参加者が10名に満たない日も多くなりま した。 　普段は教区センターで総務の仕事をしている私にも、12月はワークへ参加する機会 が与えられました。そして５月ごろに伺ったことのあるKさんのお宅に再び訪れること ができました。こちらのお宅は支援センターが４月からお手伝いしているお宅で、５月 に伺ったときには床板が剥がされ、その後新たな床板が貼られるまで大工さんを待ち ながら過ごしていました。応急仮設住宅建設のために被災地では建設業の人手が足ら ず、床板が貼られたのは11月だったそうです。Kさんは長い年月をかけてようやく昨年 の年末には仮の住まいから元の住まいへ戻られる目処がつき、家の中は遠方から駆け つけた様々な施工業者さんによって、水廻りや内装材も新しく整備されていました。 　私は家具や建具、天井、床などの仕上げの清掃作業をお手伝いしましたが、雑巾で 何度拭いても部屋の表面に付着したザラザラした砂の感触を完全には拭うことができ ず、一度泥水を被ったお宅でもう一度気持ち良く暮らすことは本当に労力や時間のか かることだと実感しました。考えてみればこのお宅がここまできれいになるまで何人 の方がこのお宅へ入られたのでしょう。そして何よりも、暑い日も寒い日も、毎日の ように入れ替わるボランティアを温かく受け入れ、仕事がしやすいように整えてくだ さり、ワーカーお一人お一人の名前や出身地を覚えようとされ、また休憩時には温か い飲み物やお汁物などを提供してくださったりと、Kさんの私たちへの多大なお気遣い やご負担を思うと感謝を通り越して胸が詰まる思いです。ご負担とは思いつつも、こ れからもまたKさんや新たに出会う方との出会いを楽しみにお手伝いに行きたいと思っ ています。震災を経て、人とつながることはこんなにも尊く、楽しいことだと改めて 気付き、それが私にとっては希望でもあります。 　３月に支援センターが活動を始めてから七郷へのワークには片道40～50分かけて自転 車で通っていました。多くの方がその姿を活動の象徴のように見ていたのではと思い ます。しかし11月に入った頃から、冬の寒さが徐々に厳しくなり、また路面凍結等に よる転倒、ケガの恐れがあるため、自転車で通うことが難しくなってきました。１1月 の末より七郷へのワークは自動車で向かうことになりました。活動を始めた頃はお手 伝いに行くお宅へ車で乗り付けることや、敷地内に何台も駐車させていただくことは 地域のご迷惑となり、とても考えられなかったことだったと思いますが、この長い冬 の間、それを受け入れていただけることを感謝し、自転車通いに使うはずだった気力、 体力も微力ながらワークに注いでいけたらと個人的には思います。 　こうした日々の活動は東北教区のためにお祈り、お支えいただいている方をはじめ、 全国、海外からのボランティアさんによって支えられていることはもちろんですが、 ワーク先のお宅でボランティアリーダー、行き帰りの道の運転、ボランティアのコー ディネートなど多様な仕事は若いスタッフが献身的に支えていることも忘れてはいけ ないことだと思います。東北の被災地で支援活動を続ける方々の健康が守られ、いつ かこの支援活動を終えた日にも、お一人お一人の進む道に神様が共にいてくださるこ とをどうかお祈りいただければ幸いです。 東北教区被災者支援センターWEBSITE ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ エマオの主な活動 ・11月５日エマオ開館10周年記念礼拝 ・キリスト教文化セミナー「日本の茶道におけるキリスト教の影響」辺見宗邦先生を 講師に開催 ・エマオ聖書研究　毎月３回開催 ・ベビータイム＋バイブルカフェ　未就学児の親子と聖書や昼食をわかちあう会　毎週 火曜日開催 ・エマオ夕礼拝　毎月第２、第５日曜日 ・エマオギャラリー　品川潤子姉の籘工芸作品展開催 ・ 応援事業　ミニバザーや教会関係団体のグッズ販売・広報支援 ・ WEBサイト運営　施設使用状況、イベント案内、コラム随時更新 仙台JOCSの動き ・使用済み切手整理活動「きってきっぺ」を仙台市市民活動サポートセンターにて毎 月第２土曜日開催 ・12月17日は岩本直美ワーカーを囲む会 ・2012年は昨年行われた地区全国ミーティングを受けて新たな目標に挑戦する予定 東北教区センターエマオ 新井ななえ（仙台JOCS・JOCS国内活動委員）