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釜石訪問レポート〔2012年1月10日~13日・2月11日~14日〕

2012.02.29

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釜石訪問レポート〔2012年1月10日~13日・2月11日~14日〕                               白石仁美(カウンセラー・JOCS派遣) JOCSからの派遣により7月から毎月「釜石」に行かせて頂いています。 月命日11日の震災のあった午後2時46分には、サイレンが鳴り黙祷をお捧げ致します、それに合わせて、午後2時半から30分ほど、震災時の写真と復興の写真を祭壇に置き、毎月「テゼの祈り」をお捧げしています。           今回は、静岡教会から宮内神父をお呼びし、ジャパンプラットホームの山中務さん、聖公会釜石ベースの向井清子さんも加わり、心に沁みるお祈りでした。 地元の方が、魂を揺さぶられ震災を思い出し、涙が溢れてきて途中で退席されたとのことでした。お話し下さった時も涙ぐまれていて、地元の方のお痛みの深さと、埋められない「解かっていない」ことを感じる時でもありますが、懲りずに通い続け、ささやかなお役に立てればと思うばかりです。 うれしい御報告を頂きました。秋頃、釜石ベースで御一緒になった方が、下関で「カトリック下関被災地支援委員会」を立ち上げられ、2月11日から、下関でも同じ時間に「テゼの祈り」が始められました。今後も心を合わせて、毎月11日にお祈りをなさることと、リレーで2名ずつボランティアを継続して送り続けて下さるようになりました。 ボランティアの出会いが飛び火して、「忘れない」よう活動が広がっていくことに、神様の恵みとみ働きを感じ、私たちが神様の道具として働かせて頂いていることに 感謝を感じます。 先月、社協の方とお話しをし、今後、地元の生活支援相談員さんや福祉関係の地元の人材育成の必要性から、社会福祉協議会とカリタスジャパン主催で「明日からのよりよい支援に活かす~コミュニケーションスキル講座」の講師を、今回から毎月させて頂くようになりました。 生活支援相談員さん、地元の福祉関係の方、「お茶っ子サロン」の担い手や聖公会や日本キリスト教団のベースの責任者や牧師さん等宗派を超えて、25名くらいの参加がありました。 仮設住宅での戸別訪問や「お茶っ子サロン」での対応に、必要な「傾聴」のトレーニングと、ワークやロールプレイを交えて、3時間があっという間でした。 そこでも、地元の方々との温度差が胸に響きました。発言の空気がまるで違い、解っていない」ことを本当に痛感し、けれども私に出来ることを、申し訳ないような思いで、精一杯差し出させて頂くばかりでした。 その後食事の時、社協の職員の方が「お友達の家族が流され、どう声をかけていいのか解らない・・・だから今日の研修は、仕事もだけれど、自分のために受けた・・」と泣きながら20分くらい話し続けられました。 お一人おひとりが、本当に胸に突き刺さるような思いで生きておられることが迫ってきました。  また今回は、ある方のカウンセリングを行いました。被災者であると同時に支援者であり続けることが、どれほどのお辛さかは、その方の沈黙の長さと深さと重さで、部屋全体が沈むほど・・・でした。 責任を持つお立場である場合、様々なことの板挟み状態になり、当事者でなければ到底理解できない、孤独感、重責に苦しみ、傷つき、疲れ果てます。 「被災者であると同時に支援者である方へのケア」を、継続的に行うことは必須であると、今回の件を通して、痛感いたしました。 今後も、祈りの内に精一杯、カウンセリングで関わらせて頂きたいと思っておりますが、その日以来、朝晩、必ずその方のためにお祈りさせていただいています。  お一人おひとりの辛さと痛みと出会い、忘れないために、今後も行かせて頂きます。私の釜石訪問が、幸いにも、私の専門分野で働けるように、有機的に起動し始めました。 同じ、JOCSから派遣して頂けるなら、よりよく使って頂くに越したことはありません。3月は「テゼの祈り」「釜石ベースでの研修」「カウンセリング」に加えて、遠野での「心のケア研修」も頼まれています。 神様の平和の道具として、神様につき従うものとなれますように、神様に祈るばかりです。 シグニスが取材した「釜石の記録」(私がインタビューを受けたものも入っています)、ご覧頂ければ幸いです。http://youtu.be/CPKKUMpWRjo これをお読みくださった方々が、被災地を覚えてどうぞお祈り下さり、具体的な支援や訪問でどうぞお支えくださいますよう、お願いたします。