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釜石訪問」レポート 2012年3月8日~13日

2012.04.10

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釜石訪問」レポート 2012年3月8日~13日 カウンセラー・JOCS派遣   白石仁美  3月11日、釜石での1日は、亡くなられた方たちの霊魂が確かに降りて来ていたような、普段とはまるで空気の違う1日でした。その日は(カリタス釜石)ベースは、活動をすべてオフにして、追悼のキャンドルナイトのろうそくを灯すボランティア以外は、「あの日」を思い巡らし、静かに過ごしました。  14:00~15:00  テゼの祈り・英神父の1年を振り返っての黙想  15:00~16:00  御ミサ・1年を振り返っての4人の分かち合い  私は午前中、教会の木の枝を使い、ろうそくをどっさり使い、亡くなられた方たちの魂に見立て、「テゼの祈り」のために会場設営をしました。 普段15人くらいの信者さんの教会が80名くらいの人が集まり、午後2時46分には、サイレンと黙とうが捧げられ、教会の鐘と、近くの曹洞宗のお寺の鐘も鳴り響きました。 それらの祈りの時間の中で、私も含めて、皆が魂を揺さぶられ、涙を多く流しました。そこは突然に天に召された多くの霊魂が降りて来て、私たちと共に居るような、そして多くの心を合わせて祈って下さっている方たちも共に居て、それらの魂の交流がそこにあるような不思議な空間でした。  釜石駅には、鎮魂の鐘が設営されていて、その鐘には「鎮魂」「復興」「希望」「記憶」のことばが刻まれていますが、夜には、その周りに多くのキャンドルが灯され、多くの方が集い、「あの日」を偲びました。地元の人たちは、正直、泣き崩れる以上の辛さで、「思い出したくない」・・・地元の人でないと分からない激痛の中におられるのが、胸に突き刺さるほどで、釜石の友人と抱き合って泣きました。  今回、私は図らずも、大槌町の(カリタス)ベースから(カリタス)米川ベース(宮城県登米市)まで、うちの教会のキャラバンを運ぶ必要があり、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸をすべてこの目で見ました。町がすべてなくなり、まっ平らな地面に、瓦礫の山があり、重機が動いているだけの、ここが日本か・・と思うような光景が、1ヶ所ではなく何ヶ所もあるのです。 絶句する思いでした。「忘れてはいけない」と思いました。「わたし」ではなく、「そのひとたち」であったこと、その申し訳ない思い、痛みを、ずっと「忘れないで」、私はこれからも行き続けようと思いました。  その他にも沢山の活動をしました。釜石市社会福祉協議会と、カリタスジャパン主催の「明日からのよりよい支援に活かす~コミュニケーションスキル講座~」、今回も生活支援相談員さんや社協の職員、各ベースのスタッフや色々な宗派の方たち20名あまりの参加がありました。 スタッフ達が長期になり、疲れが出ているので汲みだす必要があるとのことでしたので、左手でその「疲れ」を絵に抽出し、グループワークで癒していくワークを行いました。皆の表情がほぐれ、愉しみだしたところで、「植物にたとえる」グループワークで、自己肯定感をさらに上げ、連帯感を高めました。 おかしいくらいに、皆がこどものように元気になられたのが、嬉しいことでした。聖霊が豊かに働いて下さったことに、感謝でした。  遠野でも、ジャパンプラットホーム主催で、上記研修の1回目を行いました。こちらも25名の参加があり、こちらはアメリカ人、韓国人のスタッフもおり、年齢層も幅広く、また違う豊かさでした。  その他には2名の、支援するお立場でご自身も被災された方のカウンセリングを行いました。通常、90分程度の時間で致しますが、3時間、4時間の汲み出しをし、その重さ、厳しさ、辛さに、わたしもさすがに、死闘に臨んだくらい疲弊しました。・・・が、お役に立つならば、精一杯、その方たちと神様に、私自身を差し出していきたいと思いました。そしてこのように、JOCSから派遣して頂いて、継続的に行かせていただける恵みに、心から感謝しています。  特に優秀な訳でもない私を神様がお選びになり、このように働かせて下さる恵みと、そこに神様が生きて働いて下さる不思議に、感謝し、祈りのうちに応えていきたいとその恵みを願っています。  どうか、これを読んで下さった方々が、どうぞ「忘れないで」お祈りと支援をくださいますように、よろしくお願い致します。