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現奨学生の近況報告ーインドネシア

2022.03.07

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JOCS奨学金事業の協力団体であるGKSTシナルカシ病院は、インドネシア中部にあるスラウェシ島にあります。この地域には、オランダの植民地時代の影響でキリスト教徒が多くいます。同病院も、キリスト教会の保健部門が運営しています。

2021年度、新規に採用された奨学生が加わり、現在同病院のスタッフ11名がJOCSの奨学生として医師、看護師、助産師等の資格取得を目指して研修に励んでいます。20206月に研修修了の予定であった奨学生2名は、座学の講義はオンラインで受講できましたが、フィールドワークや実習等が国の行動制限措置により開講されず、予定していた6月までには研修が修了できませんでした。しかし最終的には、遅れはしましたが、1名は202011月に卒業式を終え、今年の1月からシナルカシ病院に戻り、業務を開始しました。もう1名は間もなく修了の見込みです。

 

2020年度採用された奨学生4名の医学生から近況の報告と、ご支援くださる皆様へのメッセージが届きました。

 

エルソネフタ・レンスさん(2020年より就学中)

「確かに未来はある。あなたの希望が断たれることはない。(箴言2318節)」

聖書の言葉は、どんな時も私を励ましてくれます。困難な事があっても家族や友人の助けや支援で、前を向くことができます。医学生として歩み始めた私の最初の1年は、新しい環境に慣れることが一番大変でした。特にぎっしり詰まったカリキュラムと自分の用事のスケジュール管理はとても大変でした。

しかしこの1年間にとても多くの事を学びました。その中で最も困難だった科目が「解剖学」でした。かなり難しかったのですが、病理解剖から人間の体について深く学び、様々な病気とその治療法の知識を得たことは、その後の病理解剖や病気の診断、薬の投与などの技術の習得に必要不可欠であると感じました。

世界中の国々で同じ状況かと思いますが、インドネシアではパンデミックによるコロナ患者の増加で一般の患者が適切な治療を受けられない状況にあります。そのような地域の人々を見て、将来的に家でセルフメディケーションができるような健康教育を施せるようになりたいと思うようになりました。このパンデミックが1日も早く収束することを心から願います。キャンパスで授業を受ける事ができるように、そして医師になる事ができるようにお祈りをお願いします。

ご支援くださる皆様に感謝いたします。どうか皆様の生活の上に、また職場の上に、主の祝福がありますように。

 

エステファニー・ランテランギさん(2020年より就学中)

新型コロナウイルスの影響で、この一年間医学部の講義はすべてオンラインでした。オンライン講義は集中力やモチベーションを保つことが難しく感じることもありました。しかし、家族と共に過ごせたこと、また病気で入院した時にも神様がいつも共にいて助けて下さったこと、当たり前の事がどれだけ感謝なことであるかを知った1年でもありました。

そのような状況でありながらも、医学の勉強はとても面白く、特に病理解剖の講義は興味深いものでした。人間の体の構造、中でも癌の細胞のような異常な組織をみて学ぶことはとても意味のあることでした。更に嬉しかったことは、病理解剖の講師のアシスタントに抜擢されたことでした。貴重な機会に私はとても光栄な気持ちになりました。また人間の体の構造や仕組みを学ぶ病理学も興味の深い科目でした。この2つの科目は相互に関係しているためとても有益なものでした。

次年度は、内科学と内科医として求められる知識や技術を学びたいと思います。内科医は多様な病気を診療し、幅広い年代の健康問題に応えていく責任があります。シナルカシ病院のあるテンテナ地域はそれに対応できる医師が求められているので、そのために努力を重ねていきたいと思います。「主ご自身があなたの先に進まれる。主があなたとともにおられる。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。恐れてはならない。おののいてはならない。(申命記31.8)」この聖書の言葉は私をいつも励ましてくれました。このパンデミックの状況でも皆さんが主によって強められ、健康が守られ、感染が1日も早く収束することを願います。シナルカシ病院、JOCSと支援くださる皆様が神様に祝福されていることを忘れることがないように、そしてたくさんの人々に祝福を運ぶ器として、それぞれが与えられた召しを果たしていくことができますようにお祈りします。

 

 

グレース・モウィドゥさん(2020年より就学中)

私が暮らす街で現在も続く健康問題の一つが、伝統的薬草の使用です。病気の時に病院で治療を受けずに、薬草を使う人々がまだいます。私は薬として使用する薬草には注意しなければならない事を人々に伝えていきたいと考えています。だからこの1年で履修した科目の中で「薬理学」は最も興味深いものでした。医師にとって適切な治療をするためには薬が人体に及ぼす影響をきちんと学ぶことはとても有益でした。いまだに医師の処方なく薬を服用する人がいるため、正しく診察できる医師になり、健康教育の場で人々に伝えていきたいと考えています。

次年度は、診断と適切な治療をするための技術を身につけたいと思います。医学部はカリキュラムが詰まっており、疲れを覚えたり、時間の管理に苦労することもありましたが、そんな時はいつも両親のことを思い出します。そして聖書の言葉が私を支えてくれました。「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(第一ペテロ5.7)」

医師の資格をとるために、知恵と力が与えられますように、お祈りをお願いします。

 

 

ジェニータ・テレジアさん(2020年より就学中)

この一年、パンデミックによりほとんどの講義をオンラインで受講せざるをえない中、キャンパスで受講できた「クリニカルスキルラボ」は臨床形式で学ぶことができ、最も実用的で効果的なクラスでした。患者の既往歴、患者の自覚症状からどのような診断をするのか、考える事ができたことは、非常に良い学びでした。

次年度は内分泌系、代謝や栄養についてもっと学びたいと考えています。更に健康問題や病気や疾患を治療していく方法をいくつか提案することができるようになりたいと思います。

まだまだパンデミックの終わりは見えていません。現在も自宅からオンライン講義を受けています。しかし神様が私の健康を守り、力を与えてくださるため、パンデミックによる精神的なダメージは受けていません。むしろ、家族や友人たちの支えや配慮が私のモチベーションを高めてくれます。そして何よりも聖書の言葉が私を強めてくれます。「しかし、あなたがたこそ強くあってほしいのです。力を落としてはなりません。あなたがたの働きには報いが伴っているからです。(第二歴代誌15.7)」

JOCSと支援くださる皆様の力強い支えを受けて、これからも医師になるために全力を尽くしていきます。このような機会を与えてくださったシナルカシ病院と働くスタッフが主によって守られ、すべての保健医療サービスに祝福がありますように、お祈りをお願いいたします。