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ウガンダの奨学生からの卒業報告

2023.04.10

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JOCSでは、ウガンダにある聖公会南ルウェンゾリ教区傘下にある医療施設で働くパトリック・アモッティさんを奨学金で支援していました。このたび、公衆衛生学士のコースを修了し、無事卒業したとの報告がありました。

 

「私は小さい頃から医者になりたいと願っていましたが、貧困のため、進学を諦めました。しかし、医療の仕事に関わりたいと思い、高校を卒業後、ムシェネネ診療所の所長に頼み込んで、看護助手として働かせてもらっていました。看護助手として、結核患者の服薬支援や青少年の性教育に6年間励み、2007年にJOCSから奨学金をいただき、准看護師となりました。医師のいない診療所に来る患者により適切な診断・治療をしたいと思い、さらに自費で学んで医師補となりました。このように治療に専念していた私ですが、やがて予防に目が向くようになり、地域の人々の健康をまもるにはコミュニティの公衆衛生が不可欠と考えるようになりました。病気の予防は、人々の命が救われるだけでなく、地域全体として医療費の削減にもつながります。この思いをJOCSのみなさんが受け止めてくださり、2018年から2度目の奨学金をいただき、2022年に公衆衛生学士を取得することができました。

 

パトリックさん(左から2番目)と同僚

就学中には新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行しました。ウガンダでも、度重なるロックダウンがあり、現在もコロナ禍からの復興過程にあります。またウガンダでは、致死率の高いエボラ出血熱の集団発生も散発しており、2019年には隣国のコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱が私たちのカセセ県にも影響しました。公衆衛生学士を取得した私は現在、サーベイランス担当官として、2か所あるコンゴ民主共和国からの入国場所での検疫を監督しています。ウガンダは2022年にもエボラ出血熱の集団発生がありました。コロナやエボラ出血熱の様な感染症の集団発生時には、地域の人々が理解できるように予防策の妥当性や必要性を伝えることが大切です。私は、奨学金での学びで得たリスクコミュニケーションの知識や技術を生かして、地域の人々へ予防策の伝達を強化できました。

支援くださった皆様に心からお礼を申し上げます。」

パトリック・アモッティ