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ネパールの元奨学生、手術室看護師として働くシタ・パンテさんからの報告

2024.04.08

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いつもJOCSの活動をご支援くださり、ありがとうございます。

202311月に約4年ぶりにネパールを訪問しました。

シタさん(先頭の白衣の女性)と同僚のスタッフ

ネパール西部の、インド国境に近いパルパ郡の町タンセンにあるタンセン病院は、2024年で創立70周年を迎えます。これまでも岩村昇医師をはじめ、多くのワーカーが派遣されてきた病院です。幼少期に出会った岩村昇ワーカーを覚えているスタッフが、現在もゲストハウスの責任者を務めています。

そして20243月現在、JOCSの奨学金支援を受けて資格を取得した22名のスタッフがタンセン病院で働き続けています。

 

今回は、手術室の看護師として働くシタ・パンテさんにお話をお伺いました。
シタさんは、201610月から3年間、タンセン保健科学専門学校で学び、正看護師の資格を取得しました。

 


私は、19991月からタンセン病院で補助看護助産師(Auxiliary Nurse-Midwife)として働き始めました。今年で25年になります。私は、人々の健康やケアをすることに関心があったので、高校を卒業してから補助看護助産師の資格を取りました。タンセン病院では最初に外科病棟に配置され、数年後に手術室の担当になりました。4年前に正看護師の資格を取得してから手術室看護師として配属されました。主に、手術の準備、外科医の補助、患者の術後から回復して病棟に戻るまでの看護ケアをしています。タンセン病院では、胆石や結石の除去などの手術では、腹腔鏡手術をおこなっています。専門学校で腹腔鏡手術を学んだので、私はその手術を担当しています。専門学校で外科の看護の知識や技術を身につけることができたのは、大きな自信になりました。

 

 ある日、17歳の妊婦が近隣の郡から緊急で搬送されてきたことがありました。

 

緊急帝王切開で無事に赤ちゃんは生まれましたが、母親の方は分娩後に出血が全く止まらない状態になってしまいました。血液が足りなくなり、病院のスタッフに献血をお願いしました。一晩中産後出血の対応にあたり、何とか出血が止まりました。母親を助けることができ、本当に安堵しました。今回は、病院のスタッフからの献血で何とか対応できましたが、時には、病院近くの軍隊に献血を求めることもあります。彼らはとても協力的です。

 

その母親は、出産から1週間で状態が安定したので、無事に退院することができました。手術では、医師、麻酔担当のスタッフと看護師とのチームワークがとても大切です。スタッフ全員の協力で人々を助けることができるのは大きな喜びです。

 

今後も新しい外科的な看護処置を学びつつ、どんなケースでも対応ができる手術室看護師を目指して成長していきたいと思います。

シタさん
シタさん