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タンザニア元奨学生近況:カリブムトトプロジェクトに積極的に関わるメルトゥス医師補

2025.10.02

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いつもJOCSの活動をご支援くださり、ありがとうございます。

タンザニア・タボラ州の活動地であるタボラ大司教区保健事務所(以下、TAHO)傘下のボーレ神父メモリアルヘルスセンター(旧ムワンズギ診療所)で、医師補として働くメルトゥスさんをご紹介します。 

20257月、ヘルスセンター訪問時に初めてメルトゥス医師補にお会いしました。物静かな雰囲気を持ち、誠実に患者さんに向き合う姿が目に浮かぶような好青年でした。メルトゥスさんは、20199月からJOCSの奨学金で3年間の研修を受け、医師補の資格を取得しました。

2024年に診療所からヘルスセンターに格上げされてからは、遠方から来る患者も増えました。さまざまな症例に対応できるよう経験を積みながらスキルを磨いていきたい」と語ってくれました。特に貧血を抱える妊婦さんが多いため、栄養指導を含めた母子の健康支援を充実させたいと考えています。 

そして、最近の出来事をうれしそうに語ってくれました。

20255月の夜勤中のことです。初産の妊婦が異常を訴えて来院しました。診察の結果、妊娠67カ月で胎児心拍が低下し、切迫早産の兆候が見られました。すぐに先輩医師に診断を仰ぎ、緊急帝王切開となりました。赤ちゃんは無事に生まれましたが未熟児で、すぐに保育器でのケアを開始しました。設備が限られる中、心拍が下がらないように看護師と協力しながら、私たちは希望を失わずに、懸命にできる限りの処置を続けました。そして数カ月たった今、その男の子は順調に成長しています。私たちのような小さな施設でも、小さないのちを救うことができる、本当に忘れられない経験となりました。

 

254月からJOCSTAHOが協働で開始した新生児ケアのプロジェクト「カリブムトトプロジェクト」にメルトゥス医師補は積極的に関わり、地域の人々の健康といのちをまもるために、日々技術の向上に努めています。メルトゥス医師補をはじめ、プロジェクトに関わるすべてのスタッフの働きのためにお祈りと応援をお願いします。

(※ カリブムトトプロジェクトの「カリブ」は、スワヒリ語で「ようこそ、「ムトト」=「子ども」を表します。最新の活動の様子は、カリブムトトプロジェクトの活動ニュースNo.1をご覧ください。」

カリブムトトプロジェクトに参加するメルトゥス医師補(中央)

新生児ケア指導の様子(メルトゥス右から2番目)