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HOME>ニュース>横浜 寿地区の越冬プログラムご紹介
2014.02.14
報告が遅くなりましたが、2013年暮れ、12月29日(日)、30日(月)横浜寿地区にて
JOCS海外保健医療協力セミナー「草の根の人々と 働く姿勢を学ぶ 2日間」を開催しました。
横浜市寿地区は、中華街や元町地区という華やかな観光地に隣接していながら、かつては日雇労働者の町として知られていました。現在は居住者の急速な高齢化が進み、福祉的・医療的な支援を必要とする人が多く住んでいます。そしてそこには、保健医療従事者や宗教者など、様々な立場で支える人たちがいます。その活動の姿勢は、開発途上国で草の根の人々と働く人々の姿勢と通じるものがあります。ここでの学びは国際協力を行う上でも重要だと考え、JOCSはこのセミナーを開催しました。
越冬とは、寿越冬闘争実行委員会が運営する「野宿の仲間と繋がり、仲間の命を共同で守ろう!」という年末年始の閉庁期間に行われるプログラムです。プログラムは12月29日~1月6日まで連日深夜まで行われます。
今年のスローガンは「黙って野垂れ死ぬな!生きて奴らに倍返し」
これは年末年始の閉庁期間の間、県、市、区の施設は閉じられ、生活困窮者にとって非常に厳しい時期になるからです。
主なプログラムは
①炊き出し この炊き出しで経済的・栄養的に改善できることは多くないが、真冬に温かいものでおなかをいっぱいにしてほしいという思いから、越冬闘争中は毎回1000食を用意して対応している。
②各種相談(医療・法律・生活・労働) 寿公園の医療相談コーナーで、相談者への対応を期間中毎日行っています。相談コーナーは無料で、ボランティアの医師、看護師が相談を受けている。血圧測定の希望者が多く、必要があれば、ことぶき共同診療所への案内や、緊急性があれば救急車で搬送する。
③野宿者のパトロール(横浜・関内駅周辺)夜9時~12時くらいまで 野宿者へ声掛けをして、炊き出しの案内を渡し、希望者にはスープ・毛布・セーター・カイロなどを配る。各班にリーダーがおり、声掛けなど不安な場合はリーダーに頼って行う。
④福島被曝労働問題の勉強会 被曝労働を考えるネットワークより、山谷・釜ヶ崎・寿から福島原発へ行き、日雇いで労働に従事する労働者たちの被曝や労働条件の問題(被曝したら解雇、賃金ピンハネなど)についてのお話。
⑤越冬闘争について 寿日雇い労働組合 からのお話。初めて越冬に参加するボランティアを対象にしたお話しです。1983年に横浜で起こった中学生による野宿者襲撃事件や横浜市の年末年始の福祉対応の状況、野宿者調査の現状についてなど。また、寿は怖いというイメージが世間に作られているので、「来たことがない人は現場に来てほしい、そして感じたことを周りに伝えて、友達を連れてきてほしい」というお話しでした。
これらの他に、JOCS独自のプログラムを実施しました。
・ 寿地区にある日本キリスト教団なか伝道所の礼拝に出席
・ 長い間なか伝道所の主任牧師をつとめられた渡辺英俊牧師からの寿地区の概要のお話 町の歴史や労働者の変遷、移住労働者の問題や、アルコール依存症への取り組みのお話を聞きました。
・ JOCSワーカー予定者の話 ことぶき共同診療所で働く弓野綾氏から診療所の働きや、患者さんのこと、自身の寿町での働きと国際保健の接点に関わるお話を聞きました。
今回の参加者は9名。全国各地から集まりました。
参加者の皆様の声
・ このような場所で働いている人とはじめて会った。ものすごい熱意で楽しそうに働いている。かつてドヤに住み、生活保護を受けていたが現在は自立し、スタッフとして働いている人に出会えたこともよかった。何かボランティアがあれば参加したい。
・ 考えていることとは違う現実を知った。日本の現実に気が付き、課題が見えて、絶望的になったが、働いている人に会ってこれから関わっていきたいと思った。
・ 夜回りをしていて、帰宅する人が駅に向かって急いで歩いていた。野宿者に気づかずにいる人間と夜回りをしているグループに壁を感じ、無関心さの差別を感じた。自分の中にもそのような部分があることを感じた。
・ 見て、考えて経験することによって本当の豊かさを考えさせられた。家に帰ってもう一度考えたい。
・ 関わり続けることが大事だと感じた。問題に対してあきらめないで言い続けることが大切。そして希望を持ち続けること。盛岡で自分のまわりでできることを続けていきたい。
様々な声をいただきました。
今後もこのプログラムを続けていきます。今年の暮れは是非ご参加ください。
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