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総主事通信コメント(①4月~⑦10月)です。

2006.11.10

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<6月のコメント>

2ヶ月間を終えた総主事としてのレビューと取り組むべき課題と思われることについて理事会(6/3)にてプレゼンテーションをさせて頂きました。ポイントのみ(少し補足し)ご紹介したいと思います。

①Mission(使命)を確認し、Vision(将来像)を描き、Project/Program(取り組み)をより良いものにしていきたい。→使命とビジョンに基づき、具体的な成果を生み出す団体へ。

②Value(価値)を高め、Innovation(革新)を試み、Progress(進歩)を、モットーとしたい。→他団体との違いを明確にし、希少価値と信頼性を高め、「求められる魅力的な団体」へ。

③JOCSの原点(即ち、創立の理念と基本精神)である「アジアの呼び声に応えて」「共に生きる」を羅針盤とし、草の根の人々の一人ひとりの声をしっかり受け止めたい。

④衰退する組織は関わる誰もが「誰かのせい(責任転嫁)」にする。あるいは(できる理由でなく)できない理由を列挙する(自己正当化)。「自らが」という当事者意識を持ち、改革・改善の努力を行いたい。

⑤会員・地域のニーズ・ボランティア・事務局という「四輪」がかみ合う努力を重ね、相互の信頼関係を築きつつ、「新しい50年」を歩む備えをこの4年間で(現在46年目)行っていきたい。

⑥私がYMCAという団体に奉職した際に、最初の3年間で徹底的に受けた教育は以下の3点。

●1年に1つは「新しいこと・プロジェクト・プログラムにチャレンジする。
●信頼のおけるよきパートナーをつくる(自らもよきパートナーになる)。
●その役割(ポジション)を担った時点で、自らの責任を果たすと同時に「次のリーダー(後継者)」を育てていく。(持続可能な力を)

⑦公益法人改革(組織と財政)に関する研究と実務対応を進めていきたい。

⑧これまでのJOCSの働きを踏まえつつ、グローバル・ローカル・ボーダーレスな課題(例えば、貧困、基礎教育・栄養、HIV/AIDSなど国連のミレニアム開発目標に示された)をしっかり捉えたい。

⑨問題の所在を広く深く把握するためにも、ワーカーのみならず、奨学生・協力団体・活動対象者というさまざまな情報のリソース(資源)をつなぎ、点ではなく面で捉え、幅広い取り組みを行っていけるようなチャレンジを行いたい。

⑩「危機」(Crisis)は、チャンス(機会)。クライシスの語源はクリッシー(分岐点)。粘り強く自らのポジティブな面(強み)に注目し、サクセスに変えていきたい。

最後に、先日参加したカンボジア会員ツアーのことです。活動の現場を支援者である会員の人たち(将来のワーカー希望者も参加)と共に視察し、スタッフの働きを知り、現地の人々(協力団体や受益者)と対話を通して生の声を聴く機会を得たことは貴重な体験でした。私たちは、「この人たちと共にこの人たちのために活動を行っているのだ」という実感が持て、こちらがエンパワメントされたのです。「共に生きる」と言いつつ、どこか遠い感覚でいる日常。まさに「顔の見える関係づくり」ができたと思います。

カンボジアのスモーキーヒルのごみ拾いの子供たち、物乞いをする子供たち、エイズ孤児。彼らはSOSを発しています。子供たちの生きる権利が脅かされている現実は、まさにグルーバル化の負の側面の縮図です。圧倒的な格差・構造的な社会暴力としての貧困・人権抑圧・様々な環境破壊や搾取などによって、最も弱くされている人々の声が「消去」されている現実に無関心でいてはいけない、と改めて思います。

その意味では、一人でも多くの会員獲得(具体的な目標設定と計画的な働きかけをしつつ)は、この社会(世界)を変えていくための「参加」を得、仲間(パートナー)を増やしていくことに他なりません。そのため、それぞれの方々の知識・知恵・経験・専門性・人脈は不可欠です。私たちは、存在意義と価値、アイデンティティとミッションを再確認し、明日への確かな一歩を踏み出していきたいと思います。