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石川信克元ワーカーによるオンライン国際保健医療勉強会を行いました。

2021.08.17

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今年度は、アジア・アフリカの「小さくされた人々*」の視点で感染症を考える勉強会を開催しています。 (*JOCSが支援するアジア・アフリカの貧しく脆弱な立場におかれた人々をJOCSでは「小さくされた人々」と呼んでいます)

 

2回目は、730()に石川信克医師(1978-1986年バングラデシュ派遣ワーカー)を講師として「結核対策を通じたコミュニティエンパワメントバングラデシュと共に40」という題で実施し、26名の方にご参加いただきました。

 石川元ワーカーがバングラデシュに派遣された当時、結核は大きな問題にも関わらず、国の対策も脆弱でありました。結核対策において、患者が最後まで治療を完了すること(治療完了率)が重要であるにも関わらず、当時は政府の中央結核センターにおいても治療完了率は4割程度でした。そこで、石川元ワーカーは人々による健康づくりの仕組みを模索し、女性を中心とした保健ボランティアが患者を発見し、治療する地域参加型の結核対策を構築しました。

この結核対策は、結核の治療完了率が改善されただけに留まらず、保健ボランティアの女性が村会議員になるなど、女性の地位向上にもつながり、地域全体がエンパワメントされました。このモデルは、引き継いだ現地NGOが全国展開し、バングラデシュの結核治療完了率は2019年に95%まで改善されています。

 

参加者からは「40年という長いご経験をまとめてお話頂き貴重な経験となりました。バングラデシュには現在は様々な団体が支援に入っていて情報も溢れていますが、やはりJOCSは歴史が長く、お話からも年単位でのエピソードがいくつもあるなど、本当に腰を据えて活動することの大切さを感じました。」などの感想をいただきました。ご参加下さった皆さま、本当にありがとうございました。

 

次回は当会会長の畑野研太郎医師(元バングラデシュ派遣ワーカー)から「バングラデシュでハンセン病の人々と共に歩んで」を学びます。ぜひ、ご参加ください。