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ウガンダの奨学金事業のモニタリングをオンラインで実施しました

2022.11.17

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JOCSは、アジアやアフリカで支援の届きにくい地域の保健医療の向上のため、奨学金を通じた医療従事者の育成を行っています。奨学金事業は、各国の協力団体と連携して実施します。この度オンラインにて、ウガンダの奨学金協力団体と、現状の課題また今後の方針を話し合いました。

 

奨学金協力団体の一つ、UPMB(Uganda Protestant Medical Bureau) は、保健医療活動を行うプロテスタント教会の連合体です。UPMBには302の保健医療施設が加盟しています。加盟団体の多くは、支援の届きにくい地方の保健医療施設です。UPMB は、JOCS奨学金の協力団体として、20年間で100名以上の医療従事者を育成しました。

奨学金事業を担当しているDavid氏からは、ウガンダでは母子保健の問題が大きく、産婦人科医や助産師の人材が必要であるとの報告がありました。また政府の新しい方針に従って准看護師を看護師に引き上げるなど、より専門性の高い資格取得も求められている現状が共有されました。

 

もう一つの奨学金協力団体である南ルウェンゾリ教区は、コンゴ民主共和国に隣接するカセセ県の保健医療を担っています。カセセ県は、内戦や部族間対立のため、国内避難者が生じた山岳地帯です。85%以上の人々が農業で生計を立てており、11ドル以下の生活をしている人も多くいます。医療費を支払えない住民が多いため、南ルウェンゾリ司教区は、家庭菜園などの収入向上活動を住民に提案しています。

 

南ルウェンゾリ教区の医療施設の職員の6割が政府からの出向です。しかし、近年、出向元に呼び戻される職員が多くおり、多くの医療人材を失っていると保健担当のジョセファット司祭から報告がありました。南ルウェンゾリ司教区の医療施設は、山岳地帯で交通手段が限られた場所にあるため、厳しい環境下でも勤務を継続する志があるスタッフを必要としています。

 

今回のモニタリングを通して、ウガンダの人材育成を継続して支援する必要性を確認しました。ウガンダでは、5歳未満児や妊産婦の死亡率が高いなど、保健医療は未だ改善が必要な状況にあります。政府も医療人材の強化を目標にしていますが、人口の増加に対応できるほどの人材は増強されていません。特にUPMBや南ルウェンゾリ司教区の様な過疎地で働く医療人材の支援が求められています。JOCSは、奨学金事業を通じて、引き続き、支援の届きにくい地域の保健医療の向上を目指していきます。

 

【現奨学生の紹介】

産婦人科専門医を目指すUPMBの奨学生 

麻酔科学を学ぶ南ルウェンゾリ司教区の奨学生