HOME>ニュース>08年度総主事通信①

ニュース

08年度総主事通信①

2008.05.08

シェア ツイート

今月のコメント

 4月22日は世界アースデイでした。今やブームと化した地球温暖化問題。各地での取り組みがイベントで終らない、持続可能なものになっていくよう切に願っています。ご存知でしょうか?2008年は「国際ポテト年」・「国際地球年」・「国際衛生年」・「国際言語年」、と様々なことを記念する国際年だそうです。国際○○年という名前が一人歩きするのではなく、一人ひとりがその意味を深く考えるようにしていきたいと思います。
 
●岩本直美さん(バングラデシュ・ワーカー)-「信仰と光」

 一時帰国をしている岩本さんに色々とお話を伺う機会があり、多くの学びが得られています。1993年から現在まで一貫して、バングラデシュで障がいのある人々と共に生きる働きに従事されてこられたその歩みは幾多のご苦労があったことでしょう。障がいの背景も日本と異なる(様々な暴力による被害の犠牲としてハンディを負ったり、貧困による困難な生活を強いられている、など)要素があるかもしれません。多くの貧しい村々では障がいを負っても、都市部に集中するケアサービス(機関)にアクセスすることは困難です。障がい者の約8割がそのようなケアにアクセスすることができない状況にあります。それこそ貧富の差・格差拡大がその根っこにあるといわざるを得ません。
 もちろん日本と比べて、車椅子や義肢義足その他、補助器具が不十分なため、家庭に閉じこもらざるを得ない状況もあるでしょう。障がいの故に、差別・偏見の対象となり、抑圧され搾取される、ということも有り得ます。これは先進国でもそう変わらない現実がありますが、、、。
 2月にマイメンシンを訪れた際(ただ一度きりのことですが)、障がいのある人と共に生きる、ということは、「その人たちに光を当てる」と思い込んでいたのが、いや違う、その人たちから「光をもらう」、その人たち自身が「光」なのだ、と気づかされました。「信仰と光」という祈りの集いが一つの形として、知的ハンディのある人々の家(ニール)につながったのだ、という岩本さんのお話を伺った時、そのことが深く心に触れました。感謝です。

●アジア祈祷日2008<主催:アジア・キリスト教協議会(CCA)、日本キリスト教協議会(NCCJ)>

 2008年のアジア祈祷日は、5月4日でした。今年のテーマは、「アジアの平和と憲法9条」です。山本俊正氏(前NCC総幹事)は、テキストに「CCAに加盟する100の教会、18のNCC、5500万人の会員によって祈られ・・・平和の共同体を構築する働きを、さらに継続する必要がある」というコメントを寄せています。
 奇しくも、CCA総幹事 プラウェット・キド・アン氏は、JOCSが掲げている聖句でもある「平和を実現する人々は幸いである・・・」(マタイ5:9)をひいて、以下のメッセージを示しました。
「私たちが、キリストの一つの体として、日本において平和のために働いている人々と、そして暴力による脅しを用いる軍事化がはびこる共同体に暮らす人々と、連帯の中で立ち上がることができますように。私たちが戦争を否定し、アジアと世界の平和と正義のために尽力するために、共に立ち上がることができますように」。
JOCSが向き合う草の根の人々は、貧困と格差にあえぎ、様々な対立や暴力にさらされ深く傷ついています。「平和」が守られなければ、ワーカーの働きは困難を極め、JOCSのミッションを果たすことはほぼ不可能です。各地の「非平和」はJOCSの活動を脅かします。「キリストの平和」を見上げて祈り行動し続けたいと思います。

●9条世界会議(5月4日~6日:千葉・幕張メッセ)-平和に欠かせないもの ”Smile”

 あまりメディアでは報じられませんでしたが(何故?)、先日開催されました。会場には国内外各地からの大勢の参加があり、入場できない人々が相当数出たほどの熱気でした。
 私は、友人であるロニー・アレキサンダーさん(神戸大学大学院国際協力研究科教授)のワークショップ「ポーポキ、平和ってなに色?」や映画・シンポジウムなどに参加しました。連続上映された映画の一つ「テロリストは誰?」には、知られざる(隠された)世界のドキュメントをまざまざと見せ付けられ、ショックを受けました。
 ロニーさんのワークショップでは、平和に欠かせない要素や身近な「非平和」を語り合ったり、平和憲法に関する紙芝居やモビールの製作や、「憲法9条 平和の散歩道」を描いたり、大変ユニークなプログラムでした。
 平和に欠かせない要素は、「多様性・いのち・想像力や創造力などなど」様々ですが、優先順位をつけるとなるとなかなか難しいものです。「平和には武器が欠かせない」という人もいるかもしれません。ある人が「Smile(笑顔)も!」と言いました。そうです。平和には「Smile」も無くてはならないものです。私たちの日常にも。
 「平和って何色?どんな音?どんな味?どんな感触?匂いは?」、生活の中で平和をつくるヒントがあります。“ポーポキのピースプロジェクト”の詳細は、http://popoki.cruisejapan.com/まで。(2007年8月にご紹介済み)