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活動内容

ケニア シロアムプロジェクト活動進捗報告 No.2 (2023年7月)

4月から開始した「第二期シロアムプロジェクト」での新しい取り組みの一つは、シロアムの園に通う子どもたちの歯と口の健康をまもる支援です。ケニアでは、障がいのある子どもたちの歯科的な支援がまだまだ行き届いていません。日本のような保険診療が整っていないため、経済的な負担から歯科治療を受けることが難しく、さらに障がいのある子どもたちを専門にした歯科医師もいません。

そのため、「第二期シロアムプロジェクト」では、障がいのある子どもたちの歯科を専門とする髙井理人歯科医師を6月に2週間派遣しました。シロアムの園での歯科検診は初めての試みです。47人の子どもたちの歯科検診では、70%以上の子どもたちが虫歯を抱え、平均して1人あたり約8本の虫歯がありました。特に重い障がいがある子どもたちは、虫歯や歯肉炎の問題が多く見られました。歯科にかかった経験は重い障がいのある子どもたちの方が多いものの、治療を受けた痕跡のある歯は一本もなく、必要な治療を受けることができずに放置されているケースが多いと推測されました。虫歯が進行すると、子どもたちの食欲が低下したり、体が硬く突っ張りやすくなったりすることもあります。また、口腔衛生状態が悪いと誤嚥性肺炎(本来気管に入ってはいけない物が気管に入り生じる肺炎)を起こしやすくなるなど、子どもたちの健康に大きな影響を与えます。痛みを訴えることが難しい、障がいのある子どもたちにとって、歯と口の健康は、いのちを守るためにも重要です。


高井専門家は、歯磨きの指導をおこなうだけでなく、子どもたちの食事状況を確認し、食事の介助方法や個々の子どもに適した水分の摂取方法についても指導しました。また子どもたちの歯と口の健康を保つために、シロアムの園のスタッフはどのように子どもたちをサポートすべきかを学ぶ研修も実施しました


JOCSは今後もシロアムの園と協力し、障がいのある子どもたちの健康といのちをまもる働きを継続していきます。引き続きあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

歯科検診

食事状況の確認と介助方法の指導

歯磨き指導

シロアムの園スタッフへの研修