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活動内容

タンザニア ママ・ナ・ムトトプロジェクト 活動進捗報告No.10 (2023年6月) ~学ぶ機会をありがとう~

前回の活動進捗報告でお伝えしたように、雨宮ワーカーと現地協力団体のスタッフがともに取り組んできた母と子のいのちを守る活動に、ようやく成果が見え始めてきました。2022年度に短期研修やセミナーを受けたスタッフが中心となって、各施設で自主的にトレーニングを継続しています。

2023年4月にJOCSの事務局スタッフが現地を訪問した際の様子を報告します。

巡回訪問担当のトレーナーたち

2023年4月に実施された巡回訪問指導(スーパービジョン)では、分娩を担当するスタッフが、新生児蘇生法や分娩管理のシミュレーションの様子を見学しました。

聖アンナ・ミッション病院では、1月に見学したときと同じスタッフが今回もシミュレーションを担当。その手順をみているだけでも、3カ月前に比べてスムーズに実施されていることが分かります。確実にスタッフの技術が向上しています。

 

新生児蘇生法のトレーニングの様子(キパラパラ診療所)

2022年11月、雨宮ワーカーが各施設に、毎月、毎日、死産と新生児死亡のデータをとるように伝えました。翌年の4月に訪問したときに各施設で提出を求めたところ、全施設から提出があり、しかもデータがきちんと書かれていたという報告がありました。

雨宮ワーカーが派遣された当初、2019年に各施設にデータの収集を依頼した時は、ほぼどの施設からも提出がなかったことを思うと、スタッフの意識と態度が本当に大きく変えられたことを実感します。


成功体験が現地スタッフに自信と希望をもたらし、さらなる意欲につながっていると確信します。

 

トレーニングの振り返りの様子(聖アンナ・ミッション病院)

各施設のスタッフは、ママ・ナ・ムトトプロジェクトを通して、研修やセミナー、そして各施設で自主トレーニングできる研修資材や機器が整ったことで、「学ぶ機会」を得ました。それによって、「助けられるいのちがある」ことを知り、今は「もっと学んでたくさんの人を救いたい」と意欲的になっています。

 

 

2018年4月から5年間の計画で開始した母子保健活動である「ママ・ナ・ムトトプロジェクト」は、20233月で終了の予定でした。しかし、ようやく活動の成果が現れ始めたところであり、現地で活動が定着するには、自分たちで継続して研修を実施できる体制を整える必要があります。そのため、プロジェクトを1年延長することになりました。20234月に任期を終えた雨宮ワーカーも、活動協力のため、2023年の後半に再び派遣する予定です。

「学ぶ機会をありがとう!」
現地スタッフから雨宮ワーカーにかけられたこの言葉に、彼らの喜びと、前進していこうとするワクワクした心が現れています。

研修の最後に現地のスタッフと一緒に唱えている合言葉があります。

新生児の死亡と妊産褥婦の死亡は許容できない。みんなで団結して根絶しよう!


お母さんと赤ちゃんのいのちを守るために奮闘している現地協力団体のスタッフのために、祈りをもって応援してください。そしてプロジェクトのために、雨宮ワーカーの活動のために、引き続きお支えをお願いいたします。