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活動内容

ケニア シロアムプロジェクト活動進捗報告 No.7 (2022年4月)

 障がいのある子どもたちやその家族をありのままに受け入れ、包括的・全人的なケアを行うことを目指すシロアムの園との協働プロジェクトを始めてから今月で7年目を迎えます。

 

20203月から始まった新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、ケニアでは入国制限、夜間外出禁止令、学校閉鎖などのロックダウン措置が講じられました。シロアムの園においても、通常療育の縮小やJOCSからの専門家短期派遣の中止など、様々な予定が変更になりました。シロアムの園に通う子どもたちの家庭の多くは日雇い労働や小規模ビジネスで生計を立てており、定職があった人たちも解雇され、感染拡大で日々の糧を得ることも大変な状況になりました。自宅にいる時間が長くなった子どもたちは、今までと違う日常にストレスがたまり、問題行動を起こすこともありました。ただでさえ経済面など多くの問題を抱えた家族による育児放棄の事例も見られました。

 

そこで、シロアムの園では、子どもたちへの家庭訪問をはじめ、訪問リハビリテーションや往診、少人数での療育、電話相談など、一人一人のニーズを考えながら、コロナ禍で出来ることを継続しました。JOCS20208月から12か月まで、シロアムの園を通じて約40家庭への緊急支援を行いました。また2021度からは、理学療法士の山内章子氏がシロアムの園のスタッフへオンラインで指導しています。シロアムの園の理学療法士ムハンジ氏が子どもたちにリハビリをおこなう様子を山内氏が確認し、リハビリの際の適切な姿勢や方法、子どもたちの状態をどのように評価したらよいか助言をしています。また教科書を用いた勉強会も、リハビリスタッフ全員を対象に毎週オンラインで開催しています。

 

シロアムの園に登録している子どもの数は、100名(2021年12月現在)であり、登録待ちの子どもたちもいます。より多くのニーズに応えるべく、シロアムの園では、手狭になった現在の施設から移転することを予定しており、202112月には新施設の建設が着工しました。子どもたちが過ごす新しい施設の母屋は、「口型」となり、違った職種の活動をお互いに把握しやすく、子どもたちの移動も容易になり、中庭の遊び場の子どもたちを見守ることもできる予定です。子どもたちの笑顔と未来のために、引き続きのご支援とお祈りをお願いします。

 

コロナ禍での家庭訪問

山内専門家によるオンライン指導