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活動内容

タンザニア ママ・ナ・ムトトプロジェクト 活動進捗報告No.6 (2022年2月)

~トレーニング始動~

雨宮春子ワーカーが派遣先の聖ヨハネ・パウロ2世病院で活動を再開してから、まずは病院の母子保健の最新の現状を把握するために、再調査に取り掛かりました。以前から問題として指摘していた妊婦が健診に来る時期の遅さや、健診回数の少なさ、そして妊婦の貧血は現在も改善されておらず、出産後の健診も受診は遅く、子どもの成長や産後のお母さんの健康がきちんと把握されていない状況であることがわかりました。

そこで、202110月のセミナーでは、病院の母子保健サービスに携わっているスタッフに現状を知ってもらうことを第一の目標にしました。お母さんの健康や子どもの成長を正しく把握するためには、病院の台帳や母子カードに正確な情報を記載することが重要であることも認識してもらう必要があったので、正しい記載方法の研修を実施しました。

セミナーには、TAHO傘下の保健医療施設で母子保健サービスに従事する24名の医師、看護師、助産師が参加しました。雨宮ワーカーは講師として母子保健の現状をデータで示し、課題を共有することによってセミナーの目的を伝えることから始めました。そして第一段階として、病院の台帳や母子カードの正しい記録の方法と他のスタッフへの指導の仕方を紹介しました。また政府から派遣されたトレーナーは、保健指導や健康教室の実施方法についての講義をしました。このセミナーでは参加者が意欲的に、また楽しく知識を身につけることを目指して、毎日ゲームを通して学んだ事の振り返りをしました。この効果はとても高く、セミナー終了時のテストでは、参加者全員がセミナー開始時より理解度が高くなったという結果が出ました。最後のワークショップでは施設ごとに集まり、活動目標、アクションプラン、健康教室の実施計画を作成しました。

翌月実施されたスーパービジョンで、各施設の実施状況を確認したところ、掲示板にアクションプランを貼りだし、意欲的に取り組んでいる施設があったり、毎日の健康教室のスケジュールを貼りだして取り組んでいる施設もあったりしました。それぞれの施設で、学んだことが形となって現れていることが、セミナーの大きな成果といえるでしょう。

また聖ヨハネ・パウロ2世病院では、お腹の赤ちゃんの心音やお腹の中の様子を知るのに、現在は「トラウベ」というお腹の赤ちゃんの心音を聞くラッパのような聴診器を使っていますが、より正確に知ることができる「分娩監視装置」の導入を計画しています。トラウベの使用と並行して、分娩監視装置を使って、正確にその時の赤ちゃんの状態を知って正しく診療し、お母さんと赤ちゃんのいのちを守ることを目指しています。まず分娩監視装置の基礎知識を習得してもらうために、雨宮ワーカーが講師となり、10月に母子保健サービスの中核を担っている医師、看護助産師各2名に対して個別研修を開始しました。そして12月より病院の全スタッフを対象に基礎的な知識や専門用語の習得、演習で構成された全6回の集合研修を実施しました。演習では研修参加者同士で知識を共有する時間を持ちました。知識の定着を目指したものでしたが、各スタッフの理解力を把握するためにも大いに役立ちました。今後も継続的に実施し、20223月の分娩監視装置導入を目指しています。

これからもプロジェクトが順調にすすみ、聖ヨハネ・パウロ2世病院のスタッフが母子保健サービスの改善、質の向上のために、トレーニングに意欲的に取り組み、地域のお母さんと子どもたちのいのちが守られ、健康な人生を送ることができるように、これからもお祈りに覚え、お支えくださいますようお願いいたします。

 

活動風景

予防接種説明会@聖ヨハネ・パウロ2世病院

分娩監視装置(CTG)座学研修

セミナー(21.10)産前健診講義

スーパービジョン@聖ヨハネ・パウロ2世病院

セミナー(21.10)基礎調査分析結果報告

セミナー(21.10)ゲームしながら振り返り

セミナー(21.10)産後健診講義

セミナー(21.10)各施設でワークショップ