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活動内容

タンザニア ママ・ナ・ムトトプロジェクト 活動進捗報告No.7 (2022年5月)

~生まれたばかりの赤ちゃんのいのちを守る~

雨宮春子ワーカーの活動の一つをご紹介します。

タンザニアでは、生後まもない赤ちゃんの死亡率が高く、2017年のデータではありますが、生後4週間以内の赤ちゃん1000人に対して44人の赤ちゃんがなくなっています(日本は1000人に対して1人)。雨宮ワーカーの派遣先、聖ヨハネ・パウロ2世病院の基礎調査から得られたデータを見ても生後4週間以内の赤ちゃんの死亡率は高い値を示しています。

 

雨宮ワーカーはこれまでの聖アンナ病院での研修中や聖ヨハネ・パウロ2世病院での活動中、そしてスーパービジョン(巡回指導)中に新生児蘇生の現場に立ち会う機会が何回かありました。その中で、生まれてきた赤ちゃんの状態を正確に把握できていないこと、新生児の蘇生が必要な時に適切な処置がされておらず、現在ではタンザニアでも推奨されていない蘇生方法がつかわれていることが分かりました。

 

そこで、20224月のスーパービジョンの期間中、州政府の新生児蘇生法トレーナーと看護助産師と協力して、実技研修を実施しました。新生児蘇生用の赤ちゃん模型(写真の使用教材参照)を使用して、雨宮ワーカー含めた3名でデモンストレーションをおこない、その後、各施設の分娩介助をしている看護助産師に実技演習をしてもらいました。

模型を使用した研修は、各施設における分娩時の準備の様子、分娩介助にあたる医療従事者の知識や技術のレベルを把握する上で非常に効果的な取り組みでした。参加した医療従事者も、正しい手順をとっているのかを確認しながら蘇生を実施することができたため、更に継続して練習したい、訓練したい、という意欲的な姿勢が見られました。彼らが一人でも多くの赤ちゃんが救われる喜びを味わい、それが更に自らの技術を磨き、知識を吸収して、生きがいを持って働く事につながってほしいと願います。それがさらに地域の人々の、特にお母さんや赤ちゃんたちのいのちを守ることにつながると期待します。

 

新生児蘇生の研修は今後も継続しますが、ゆくゆくは各施設で新生児蘇生の技術を他の医療従事者に指導できるトレーナーを育成していきたいと考えています。

今後の雨宮ワーカーの働き、現地の医療従事者の働きをお支えくださいますようお願いいたします。

 詳細な活動風景は、こちらからご確認ください。

 

活動風景

実技トレーニング 使用教材

聖アンナ病院での新生児蘇生法研修の様子

①指導前の知識や蘇生方法の確認

②実技デモンストレーション

③実技指導の様子

③実技指導の様子

④蘇生方法の実習/人工呼吸

⑤ケースシナリオ実習