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活動内容

タンザニア ママ・ナ・ムトトプロジェクト 活動進捗報告No.9 (2023年2月) ~救えるいのちがある!~

雨宮春子ワーカーの活動拠点である聖ヨハネ・パウロ2世病院では、10人のお産があれば、12人の赤ちゃんは死産や生まれてすぐに亡くなってしまう(新生児死亡)ことが日常であったといいます。時には13人のお産すべてが死産や新生児死亡ということもありました。

雨宮ワーカーは、病院のスタッフがお産中に胎児の心拍を正しく確認できるように、また、生まれた赤ちゃんが蘇生を必要とするときには適切な蘇生方法をおこなうことが出来るように研修を実施してきました。

技術や知識は、雨宮ワーカーが教えるだけではありません。病院のスタッフ同士で継続してトレーニングを実施する仕組みを作るために、トレーナーとなるスタッフの育成にも取り組んでいます。タンザニアでは、トレーナーとなるために集中講座(チャンピオン研修)を受けたスタッフを「チャンピオン」と呼んでいます。

集中講座を受講中(実地トレーニング)

集中講座を修了したチャンピオンの4名

スタッフに指導するチャンピオン

チャンピオンによる講義の様子

新生児の蘇生方法とお産時の対応を学んだ「チャンピオン」はそれぞれの病院で「学習コーナー」を設け、自主的に実技トレーニングを開始しました。

分娩管理トレーニングの様子(聖ヨハネ・パウロ2世病院)

正しい蘇生法を指導する雨宮ワーカー(イゴコ診療所)

新生児蘇生トレーニングの様子(ローザミスティカ診療所)

 

トレーニングを開始して1か月足らずではあったものの、「チャンピオン」のいる3病院では、202212月の1か月間の死産や新生児死亡が「0」であったと報告を受けました。このような明らかな変化を目の当たりにすることで、現地スタッフは自信を得て、もっと技術を磨きたいという意欲が高まりました。そして切磋琢磨しながらトレーニングに取り組むようになりました。

「救えるいのちがある!」その素直な喜びが、現地スタッフのやる気につながっていると信じます。

 

先日、各病院を訪問したときに、スタッフの自主トレーニングを見学する機会がありました。その時の映像をご覧ください。

 

一人でも多くの「いのち」を救うために働く現地のスタッフ一人ひとりのために、そして医療施設のために、また、雨宮ワーカーの活動のために、これからも応援をお願いいたします!

彼らが祝福を受け、地域のいのちを守り、医療を通じて人々に希望を与える存在となり、活躍しつづけますように、お祈りください。